醜い顔はNG? 事実であれば、TikTokはとんでもないことをしている:世界を読み解くニュース・サロン(3/4 ページ)
動画プラットフォーム「TikTok(ティックトック)」をめぐって、さまざまなニュースが報じられている。特に気になったのは、米左派系メディアが報じた「目に見えないセンサーシップ(検閲)」。どのような記事かというと……。
スパイ工作を行う恐れ
TikTokのサービスは、若者を中心にいいイメージが広まっているために、この話を驚きをもって受け止めた人は多いかもしれない。ところが、同社はこれまでもいろいろな問題が取り沙汰されている。
例えばインドやインドネシアなどは、19年までに一時的にTikTokの国内での使用を禁止にしている。その理由は、同サービスにポルノが拡散されており、子どもなどの目に触れる可能性があるというものだった。インドではその問題が裁判にまで発展し、一時的にグーグルやアップルがインドでアプリをダウンロードできなくした。バイトダンス側はその裁判を受けて、600万件の動画を削除して、なんとか使用禁止を解除させたという経緯がある。
また19年11月には米カリフォルニア州の女子学生が、また12月には米イリノイ州の家族が、個人情報が同意なく搾取されているとしてバイトダンスを訴えている。
同社は、すべての米国人ユーザーのデータは米国内のサーバに保存され、シンガポールにそのバックアップサーバがあると主張している。中国にはサーバはないので、投稿された動画や個人情報などは中国政府にわたらないとも弁解している。だが米国内の裁判では、ユーザーが動画を撮影し、アップするまでの間に、データ(動画や位置情報、年齢、性別、メッセージ、電話番号、電話帳の情報、検索履歴、スマホのシリアルナンバー、IPアドレス)が送られてしまうと指摘している。カリフォルニア州の裁判では、データが中国にある大手IT企業テンセントとアリババの、それぞれサーバに送られていたという。
こうした疑惑から、米国で大人気のSNS企業Reddit(レディット)のスティーブ・ホフマンCEOは2月に、TikTokについて「みんなに積極的にTikTokのようなスパイウェアはインストールしないほうがいいと忠告している」と述べている。
また米国では、政府や軍からも目の敵にされている。19年10月、大物の米連邦議会議員らが超党派で、TikTokが国家の安全保障への脅威であるとして同サービスへの調査を要求。そして12月には、国防総省が「TikTokは利用することで安全保障のリスクがある」と指摘し、米軍も兵士によるサービス使用を禁止にした。国防総省は、兵士に個人情報が漏れないように、アプリをアンインストールするよう指示している。
その理由は、中国政府がTikTokを使って、スパイ工作を行う恐れがあるからだという。
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