テレワークで浮いた時間、どうする? 誰にも文句を言わせない「サボり方」を伝授する:ためになる「サボり方」講座(5/5 ページ)
働き方改革、新型コロナウイルスの影響もあり、ようやく浸透し始めたかに見えるテレワーク。「サボれる」と思う人も、部下に「サボられる」と思う人もいるのでは。企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタント、横山信弘氏がどこにも角が立たない「サボり方」を伝授する
適度なストレスも必要
そうすれば、「ヤーキーズ・ドットソンの法則」も働く。「ヤーキーズ・ドットソンの法則」とは大ざっぱにいえば、「人間は適度なストレスを感じているときが、最もパフォーマンスが高い」と証明した法則である。過剰なストレスはもちろんいけないが、過小なストレスも良くないといわれている。ゲームをしているわけでもないし、雑誌を読んでいるわけでもない。なのに、何となくダラダラ仕事をしてしまう経験は誰しもあるだろう。
つまり、オフィスにいたら【7時間】で終わった仕事が、在宅勤務だと【8時間】や【9時間】もかかってしまう、ということもあり得るのだ。せっかく効率的に働くためのテレワークが、これでは台無しだ。テレワークをする場合、自分が「自立型」なのか、言葉は悪いが「ストレス依存型」なのか。このことを頭に入れておいた方がいいだろう。
話を戻そう。びっしりと「やるべきこと」をスケジュールに入れておけば、自分の姿は見られなくても、自分のスケジュールが全社に共有されている。自然と「適度な緊張感」が生まれる。そのため、仕事のパフォーマンスもアップする。
そうやって【7時間】かかる仕事を【5時間】程度でやってしまえばいいのだ。そうすればトータル【2時間】、オフィスにいたら「サボっている」と指摘されるような時間を手に入れることができる。この時間があれば、先述した月間計画や週間計画のメンテナンスであったり、現在設定している成果指標が、本当に目標を達成させるための指標としてふさわしいかを確認できるはずだ。
テレワークするなら、家以外で
最後に、一般的なサラリーマンにアドバイスしたいことがある。それは、コロナウイルスが沈静化したら、できるかぎり在宅勤務はやめよう、ということだ。
冒頭に書いたように、テレワークは遠隔地で行う働き方なのだから、カフェやコワーキングスペースなど、自宅ではない別の場所でやってもいい。だから、テレワークするにしてもできるだけ自宅以外ですべきだ。
自宅にいると、顔を見られるたびに、家にいる人が「用事」を思い付くからだ。「ちょっと洗濯物を入れてくれない? 5分で終わるから、それぐらいいいじゃない」「宅配便が来たから出てよ! いま手を離せないんだから」と言われ、適度なストレスどころか、過度なストレスを感じ、煩わしい気持ちになることもある。
いずれにしても、テレワークをしていたら、頑張った分だけ、自分の自由な時間を生み出すことができる。その時間を使って遊んではいけないが、オフィスにいると「サボるな」といわれるようなことに、時間を費やすことができるだろう。テレワークを利用し、「自立型人財」に磨きをかけてもらいたいと思う。
著者プロフィール・横山信弘(よこやまのぶひろ)
企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。
経営者を中心に4万人以上が購読するメルマガ!
関連記事
- 今こそ「脱会議」! 生産性を下げる無駄な「1LDK」をテレワークで淘汰しよう
企業をむしばむ「ムダ」な会議。その中でも特に注意が必要なのが「1LDK」だと経営コンサルタントの横山信弘氏は指摘する。いったいなぜ、無駄な会議は生まれ、そしてなくならないのか。幸か不幸か、新型コロナウイルスの影響で広がるテレワークにより、「脱会議」の機運は高まるか - “いつでもどこでも”働けるテレワークの時代に、「行きたくなるオフィス」をわざわざ東急不動産が作った理由
テクノロジーの発展で、いつでもどこでも働ける時代になった。そんななか、東急不動産が「行きたくなるオフィス」を作った理由とは。オフィスでは瞑想ができたり、仮眠が取れたり、はたまた脳波測定をしたりできるという。 - 課長の平均年収は932万円、部長は? 外資との「格差」も明らかに
日本で活動する企業の報酬状況が発表。日系企業と外資系企業合わせて679社が参加した。調査結果では課長職や部長職の平均年収も明らかになった。日系企業と外資系企業の報酬格差も合わせて発表し、特に役職者以上で顕著な開きがあった。 - 少なすぎる残業に要注意! 組織を崩壊させる「粉飾残業」のあきれた言い訳と手口
2019年4月に施行された働き方改革関連法案で、大企業を対象に残業規制の強化がなされた(中小企業は20年4月施行)。すると、今までは多すぎた残業が、今度は少なすぎるという問題が起きているという。残業規制をかいくぐる悪質な「粉飾残業」とは? - 「残業代なんて出すわけがない」「有休消化は稼いでから言え」 Dr.ストレッチフランチャイズ加盟店、求人サイトが“大炎上”の真相
Dr.ストレッチのフランチャイズ加盟店を運営する「つながり」が求人サイトに掲載したメッセージで炎上している。執行役員のインタビューとして、「残業代なんて出すわけがない」「有休消化は稼いでから言え」などと掲載。新型コロナについては「体調管理ができてない証拠」と書いてあった。現在は削除されたが、なぜこうした文言が記載されたのか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.