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スシローとくら寿司 「価格帯」と「シャリ」から見えた戦略の“決定的”な違いとは:飲食店を科学する(2/6 ページ)
大手回転寿司チェーンのスシローとくら寿司。標準的な寿司の重さはほぼ一緒。しかし、価格とシャリの違いから戦略の違いが見えてきた。
スシローとくら寿司のメニューを比較
両店のメニューカテゴリーを比較分析していきます。一般的に回転寿司業態のカテゴリーは「にぎり寿司」「軍艦・巻寿司」「サイドメニュー」「デザート」に分類されます。
季節限定や地域限定メニューなどを除いたメニューを、筆者が公式Webサイトから集計してみました(3月18日時点)。メニューの総数に関しては、スシローが112アイテムだったのに対して、くら寿司は143アイテム。くら寿司の方が多くなっています。にぎり寿司、軍艦・巻寿司に関してはスシローが80アイテム、くら寿司が86アイテムと大きな差はありません。
一方、サイドメニューに関してはスシローの21アイテムに対して、くら寿司が36アイテムと10品以上多くなっています。これはくら寿司が「すしやのうな丼」「すしやの天丼」などの丼メニュー等を販売しており、寿司以外の利用動機の獲得にも積極的な戦略をとっている結果ともいえます。さらにデザートメニューに関しても、スシローが11アイテムに対して、くら寿司が21アイテムと倍近い数になっています。これも「夢のふわ雪 かき氷」等のデザートメニュー強化を行っている結果といえます。
それでは両社の寿司の価格に関してはどうでしょうか?
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