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スシローとくら寿司 「価格帯」と「シャリ」から見えた戦略の“決定的”な違いとは:飲食店を科学する(3/6 ページ)
大手回転寿司チェーンのスシローとくら寿司。標準的な寿司の重さはほぼ一緒。しかし、価格とシャリの違いから戦略の違いが見えてきた。
気になるスシローとくら寿司の「寿司の値段」
両ブランドの寿司の値段を分かりやすくまとめました。回転寿司においては主に2貫販売と1貫販売の商品がありますので、今回は比較をしやすいように1貫当りの価格を算出しました。例えば2貫で100円(税別、以下同)のメニューは1貫50円、2貫で150円のメニューは1貫75円となります。
1貫50円まで(2貫で100円)の低価格商品に関しては、スシローが62アイテム、くら寿司が66アイテムと大きな差はありませんでした。一方、1貫75〜100円の中間価格商品に関してはくら寿司が16アイテムでスシローが0アイテム。さらに高い101円以上の商品に関してはスシローが9アイテムに対して、くら寿司が3アイテムでした。
最近、スシローは1貫300円の「特ネタ大とろ」といった高単価商品にも力を入れており、客単価は前年対比で3.1%の上昇、高単価寿司の売り上げ比率も7%程度伸びています。これは「多少高くても良いお寿司を食べたい」という高価格帯ニーズの顧客がスシローに定着してきていることを表しています。
ここで次に皆さんが疑問に思われるのは「値段は一緒でも、ネタの大きさが違うのでは?」ということではないでしょうか?
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