連載
スシローとくら寿司 「価格帯」と「シャリ」から見えた戦略の“決定的”な違いとは:飲食店を科学する(4/6 ページ)
大手回転寿司チェーンのスシローとくら寿司。標準的な寿司の重さはほぼ一緒。しかし、価格とシャリの違いから戦略の違いが見えてきた。
スシローとくら寿司の気になるネタの重量は?
両店のスタンダードな寿司ネタの重量に大きな差はありません。今回調査したにぎり寿司では、スシローが平均8.3グラム、くら寿司が8.7グラムでした。両社がお互いを意識しながら重量設定していると思えるような結果となりました。
シャリの重さに関しても、両社ともに15〜16グラムとなっています。つまり、ネタとシャリを合わせて一貫約23グラム程度が回転寿司業界における1つの基準になっているといえます。
一般的な成人は、1回の食事で450グラム程度を摂取するといわれています。つまり450グラム÷1皿46グラム(2貫)=9.7皿食べられることになります。1皿100円のお寿司であれば、1皿100円×9.7皿=想定客単価970円(寿司のみ)となります。
ここで1つ注目したいのが、くら寿司が力を入れている「シャリハーフ」メニューです。これは、糖質等が気になる顧客に向けて、お寿司のシャリを半分にするサービスです。近年、くら寿司では対象メニュー・対象店舗を積極的に拡大しています。このメニュー戦略に関して分析をしていきます。
関連記事
- 「生ビール190円」の原価率は85%? お客が3杯飲んでもしっかり利益が出る仕組みとは
「生ビール1杯190円」という看板を見かける。安さでお客を引き寄せる戦略だが、実は隠されたメリットもある。どんな狙いがあるのか。 - 新型コロナが“あの”外食チェーンを直撃 一方で松屋、スシロー、鳥貴族が順調なワケ
新型コロナウイルスの感染が広がる。外食チェーンへの影響はどうなっているのか。各社の最新動向を探った。 - スシローの進化についていけなかったかっぱ寿司
かつて業界をリードする立場だったかっぱ寿司が、競合他社に次々と追い抜かれている。逆転を許してしまった背景にはいったい何があるのだろうか。 - 回転すしの厨房はどうなっている? くら寿司で働く若きリーダーに見せてもらった
大手回転すしチェーンは安くてうまいすしを迅速に提供することで成長を続けてきたが、そのビジネスを支える厨房はどのようになっているのだろうか。くら寿司の新店オープンを次々と手掛ける若きリーダーに話を聞いた。 - レゴランドってそんなにひどいの? 家族を連れて行ってみた
「隣接する商業施設からテナントが撤退」「水筒の持ち込み禁止」などのニュースで注目を浴びているレゴランド。ネット上では酷評する声もあるが、実際はどうなのだろうか。記者が家族を連れて遊びに行ってみた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.