3月上旬、旅行キャンセルが95%に 〜JCB消費NOW
クレジットカード決済データを使った消費活動実態調査「JCB調査NOW」の3月上旬速報によると、消費実態は2月から大幅に悪化。特に「旅行」「交通」「宿泊」のいわゆるレジャー消費が厳しい。さらにその多くがキャンセルされているため、「実際のレジャー関連消費はさらに落ち込んでいる可能性がある」。
ビッグデータ解析・分析を行うナウキャストとジェーシービーは、クレジットカード決済データを使った消費活動実態調査「JCB調査NOW」の、3月上旬の速報を発表した。それによると、小売、サービスともに2月後半から大幅に悪化した。総合で、前年比7.7%のマイナスとなり、これは2019年10月の消費増税後を超え、この4年で最大の下げ率となった。
旅行のキャンセルが95%に達した
特に厳しかったのが、「旅行」「交通」「宿泊」のいわゆるレジャー消費だ。軒並み12〜13%の落ち込みとなった。この中で注意すべきなのが3月の前半に「キャンセル」が急増していることだ。中でも「旅行」については消費金額の9割以上がキャンセルとなっている。今回の調査では、予約時点の金額を元に消費を計算しているため、「実際のレジャー関連消費はさらに落ち込んでいる可能性がある」(JCB消費NOW)という。
また最も落ち込みが激しかったのは、「遊園地」で対前年比で53.1%の減少だ。次いで「映画館」も20.8%減少し、屋外の娯楽消費の落ち込みが目立った。
こんな厳しい状況の中、消費が対前年で伸びた業種もある。マクロでは、「EC」が対前年で4.1%増加。ミクロでは、「酒屋」が2月後半に引き続き伸びて6.5%増、「喫茶店・カフェ」も5.1%の増加だった。
JCB消費NOWは、JCBのクレジットカード会員の決済や属性データを統計化することで、集計から約2週間で消費動向を配信する速報性が特徴のサービス。
【訂正:4/2 11:39 初出でキャンセル率が93%としていましたが、95%の誤りです。訂正いたします。】
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