すき家と松屋は3月のコロナショックに耐えられたのか? 速報値が公開:外出自粛要請で逆風(1/2 ページ)
3月はコロナショックが外食チェーンを襲った。大手外食チェーンのすき家と松屋の速報値が公開された。どの程度影響を受けたのか。
3月は新型コロナウイルス感染拡大防止のための外出自粛要請が、外食チェーンにとって大きな逆風になった。
大手牛丼チェーンの松屋とすき家にはどんな影響が出たのか? 4月1日、運営会社の松屋フーズホールディングスとゼンショーホールディングスが、3月の売上高、客数、客単価の速報値をそれぞれ公表した。
すき家の既存店売上高は92.2%(対前年同月比)、客数は91.4%(同)、客単価は100.8%(同)となった。すき家の既存店売上高や客数は2019年4月以降、毎月のように前年同月を上回っていたので、3月だけ大きく落ち込んだ形となった。広報担当者によると、マイナス要因は外出自粛要請によるイートインの売り上げ減と、曜日配列だという。19年3月の土・日・祝日は11日だったのに対し、20年3月の土・日・祝日は10日だった。すき家の場合、家族が利用する郊外型店舗が多く、休日の減少が響いたようだ。
一方、2月から大きなマイナスの影響を受けた外食チェーンもあるので「何とか持ちこたえた」という見方もできる。3月のプラス要因はどこにあるのか。
広報担当者によると、イートインの売り上げが減る一方で、テークアウトの売り上げが増えたという。また、「NY(ニューヨーク)ポーク丼」や「牛すき焼き丼」といったヒット商品にも恵まれた。
従業員の確保には大きな影響なし
店舗で働く従業員確保はどうか。当初、休校措置を受けて従業員の確保が難しくなることから、一部店舗で「牛丼のみの販売」もしくは「店舗の営業時間短縮または休業」を行うとしていた。子どもの世話をするために休まざるを得なかった従業員は確かにいたが、他の従業員がカバーした結果「営業時間を短縮したり、メニュー数を絞ったりといったことはあまりなかった」(広報担当者)という。
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