新型コロナで緊急事態宣言 各百貨店の対応は?:相次ぐ臨時休業
4月7日、政府は新型コロナの感染拡大を受けて緊急事態宣言を発出した。期間は5月6日まで。企業活動への影響はどうなるのか。各百貨店は臨時休業の発表が相次いだ。
4月7日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて政府は緊急事態宣言を発出した。施設の収容など、一部私権を制限する可能性があるものだが、企業活動に関しては感染拡大の危険性がある業種などに対して「営業の自粛要請」を行うにとどまる。特に生活インフラを担う、金融機関やコンビニなどは通常営業を表明したところも多いが、百貨店は相次いで臨時休業を発表している。
三越伊勢丹ホールディングスは、4月8日から当面の期間、都内の三越3店舗(日本橋本店、銀座店、恵比寿店)、ならびに伊勢丹2店舗(新宿本店、立川店)と伊勢丹浦和店、加えて小型店全店を全館臨時休業にすると発表。三越・伊勢丹のオンラインショップも対象とし、緊急事態宣言が解除されるまで「当面の間」、営業を停止する。
今回、臨時休業を発表した店舗のうち三越恵比寿店、伊勢丹浦和店で新型コロナの感染者が発生している。三越恵比寿店では4月4日に勤務者1人の感染を発表。3月25日の午後以降は出社しておらず、勤務中のマスク着用や消毒などをしていたため、安全性は確保できているとしている。伊勢丹浦和店は4月6日に従業員の感染を発表。5日に消毒作業を行ったという。
高島屋では、緊急事態宣言の対象となった都府県の13店舗を4月8日から当面の期間、臨時休業とする。ただし、三越伊勢丹とは異なり、食料品フロアのみ営業するという。
大丸松坂屋百貨店でも、一部店舗で食料品売り場の営業を継続しつつ臨時休業とする。大丸心斎橋店、梅田店、松坂屋上野店など9店舗で当面の期間を臨時休業し、大丸須磨店、松坂屋高槻店では営業時間を短縮して食料品売り場のみ営業する。
各百貨店の3月売り上げは、速報値ベースで前年同期比3〜4割ほど減少している。今回の臨時休業で、業績悪化に拍車が掛かりそうだ。
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