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軽減税率で優遇される「新聞」が今こそやるべき、新型コロナ情報の“無料化”:世界を読み解くニュース・サロン(5/6 ページ)
新型コロナウイルスと戦う上で重要なのは「情報」。デマやフェイクニュースではなく、信頼できる情報が必要だ。海外では大手新聞がニュースを無料提供している例もある。軽減税率が適用されている日本の新聞社にも“公共性”を発揮する取り組みを見せてほしい。
Facebookは米地方紙を支援「信頼できる情報広めるため」
海外ではまた、こんな動きもある。以前より、フェイクニュースなどがばらまかれるプラットフォームになっていると批判されてきた、何かとお騒がせなFacebook。今回の感染拡大にからんで、こんなニュースが報じられている。
同社は最近、苦境にあえぐ地方紙や小規模な新聞社などに、新型コロナ関連の取材のために直ちに合計2500万ドルの緊急支援を行うと発表。さらに米国のみならず国外でも、広告収入が落ち込んで苦しんでいるニュースメディアに合計7500万ドルの支援金を提供すると報じられた。
なぜ地方紙なのか。国土の広い米国では全国紙は少なく、多くの人が地元の州または市にある地元紙を購読してきた文化がある。地元紙を読む利点は、全国ニュースを報じるだけでなく、その地方に暮らす人たちが知るべき地元のニュースや情報などがたくさん盛り込まれていることだ。今回の感染拡大については、地元がどんな状況にあり、どんな対策が行われるのかといった情報を正しく知ることができる。
地方に行けば紙の新聞を第一情報源にしている人たちも少なくない。ビジネスは成り立たなくなったが、まだ地方紙の存在意義は消えてはいない。そこにFacebookが目をつけたことになる。
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