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「正直言って怖い」 患者急増で極度の緊張続く医療現場に迫る:感染の恐怖に疲労(2/3 ページ)
新型コロナウイルスの感染が広がる中、医療現場はどうなっているのか。連日、患者が運ばれてくる沖縄本島内にある病院を取材した。
募る不安
新型コロナに治療薬はない。しかも一度容体が悪くなり始めるとスピードが速い。薬剤があり手術ができる病気なら、治療の手を尽くせる。だが、治療法のない新型コロナは治るかどうか、経過を見守ることしかできない。男性は「何もできない不安とストレスは大きい」と打ち明ける。
「適切な医療をいつまで提供できるか」と不安が募る。流行が始まったばかりの沖縄だが、患者が集中する本島中南部では既に感染症病床の個室が足りない。複数の病院で一般病床を感染症用に整えて患者を受け入れている。他の病気の延ばせる入院は控えてもらっている。しわ寄せは大きい。
感染の恐怖
細心の注意を払っても、医療スタッフ自らが感染する不安は消えない。「陽性患者さんと毎日向き合う。怖さはある」。
自らの感染以上に「家族にうつすこと」が恐怖だ。「病院で風呂に入らないと怖くて帰れない」と話す看護師もいるし、別の病院の医師が家族との接触を避けるために帰宅せず、ホテルに泊まっているとも聞く。
これまで経験したことのない物品不足も不安に拍車を掛ける。医師や看護師が患者と接する時、飛沫ひまつを浴びて感染しないよう防護服やマスクを着用する。ウイルス付着の恐れがあるため本来は使用後、用心して脱いで捨てる。患者をケアする度に、一日何度も繰り返す。
その防護具が足りなくなったら―。交換できなければ、患者がいる病室に長時間とどまらざるを得ない。男性は「それだけ感染リスクも高まる」と声を落とす。
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