連載
3月のコロナ禍を乗り切ったKFCとモスバーガー 好調だった「シェアBOX」と「ライスバーガー」:長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/5 ページ)
新型コロナの影響で外食チェーンの多くは3月に苦戦した。一方、KFCとモスバーガーは何とか乗り切った。なぜなのか。
「クリームチーズテリヤキバーガー」が好評
一方のモスバーガーも、ターゲットを絞った期間限定商品のヒットに加えて、19年10月以降、消費増税以降のウーバーイーツ導入といったデリバリー強化が奏功して、数年続いた不振を脱却している。20年3月期の下期(19年10月〜20年3月)で既存店売上高が前年同期比で109.6%となっており、2桁近くも伸びた。
マクドナルドが2月に「ごはんバーガー」を発売し、同社の「ライスバーガー」にとって認知度が上がるという幸運もあった。「コロナの影響を受けながらも、3月はそういった好調な流れで乗り切れた」(同社・広報)としている。
3月以降はドライブスルー、ネット注文による売り上げが増え、テークアウト比率がさらに上昇し7割ほどになった。3月の既存店客数は91.5%(対前年同月比)、既存店客単価は110.3%(同)であり、客数減を単価の上昇で埋めた。テークアウトの顧客が、いつもより多く買った。
キャンペーン商品としては、毎年同時期に出す「クリームチーズテリヤキバーガー」が待ちわびたファンに好評だった。クリームチーズやテリヤキのパテが2倍になる商品や、チーズクリームの「まぜるシェイク」などもある。これらの商品は現在も販売中だ。
また、子供向けのメニュー「ワイワイセット」に、3月18〜31日限定でデザートの「ひんやりドルチェなめらかショコラ」を無料で付けたのが、ファミリーに喜ばれた。休校になり、子供たちも家にこもっているが、たまには食事で気持ちを明るくしてほしいと、考案した企画だった。
関連記事
- 新型コロナが“あの”外食チェーンを直撃 一方で松屋、スシロー、鳥貴族が順調なワケ
新型コロナウイルスの感染が広がる。外食チェーンへの影響はどうなっているのか。各社の最新動向を探った。 - スシローとくら寿司 「価格帯」と「シャリ」から見えた戦略の“決定的”な違いとは
大手回転寿司チェーンのスシローとくら寿司。標準的な寿司の重さはほぼ一緒。しかし、価格とシャリの違いから戦略の違いが見えてきた。 - レゴランドってそんなにひどいの? 家族を連れて行ってみた
「隣接する商業施設からテナントが撤退」「水筒の持ち込み禁止」などのニュースで注目を浴びているレゴランド。ネット上では酷評する声もあるが、実際はどうなのだろうか。記者が家族を連れて遊びに行ってみた。 - 「生ビール190円」の原価率は85%? お客が3杯飲んでもしっかり利益が出る仕組みとは
「生ビール1杯190円」という看板を見かける。安さでお客を引き寄せる戦略だが、実は隠されたメリットもある。どんな狙いがあるのか。 - 外出自粛要請は「吉野家」「松屋」「すき家」にどんな影響を与えたのか 3月の実績が明らかに
外出自粛要請は大手外食チェーンに逆風となった。吉野家、松屋、すき家にはどんな影響があったのか。3月の実績が明らかになった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.