商業施設、ホテルの影響額は? 不動産大手、新型コロナで減益見込む:三菱地所は450億円の影響想定(1/2 ページ)
商業施設やホテルなどに臨時休業や客数減少といった新型コロナの影響が及んでいる。好調だった不動産業界も、一転して見通しが不透明になった。三菱地所は新型コロナによる想定影響額を450億円と発表。回復には一定の時間を要しそうだ。
新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が出されたことで、商業施設やホテルなどに臨時休業や客数減少の影響が及んでいる。2020年に予定されていた東京五輪・パラリンピックや外国人観光客の増加による需要拡大で好調だった不動産業界も、一転して見通しが不透明になった。三菱地所が新型コロナによる想定影響額を450億円と発表するなど、回復には一定の時間を要しそうだ。
商業施設、ホテルに大きな打撃
三菱地所は5月14日、21年3月期の見通しを公表。連結営業利益は前期比23.2%減の1850億円と予想している。「緊急事態宣言が5月末まで継続し、その後9月末に向けて徐々に事業環境が回復することを想定」した。新型コロナの影響は特に商業施設とホテルで大きいと見る。
事業利益への想定影響額450億円のうち、商業施設の賃料収入の減少などによるものが160億円。同社グループでは、東京駅前の「丸ビル」や名古屋駅前の「大名古屋ビル」などオフィスビル併設の商業施設や、アウトレットモールなどを展開している。緊急事態宣言中は一部施設・店舗を除いて休館すると想定し、その影響を織り込んだ。上期末(9月末)に向けて、徐々に事業環境が回復するという見込みだ。
さらに、ホテル関連では150億円の影響を想定。ホテル運営事業については、21年3月末まで一定の影響が継続すると見ている。特に、外国人観光客の数は早期に回復するとは考えにくく、影響が長引きそうだ。
大型ショッピングモール「ららぽーと」などを展開する三井不動産も、今期の業績について「通期を通してどの程度経済活動が制約されるのか予想することが困難な状況」としながらも、現時点で可能な範囲で予想を公表。「第2四半期(7〜9月)以降、年度末に向けて緩やかに正常化するという前提」で、連結営業利益は28.7%減の2000億円の見通しを示した。賃料収入による「賃貸」セグメントで360億円の減収、328億円の減益を見込む。商業施設の休館や、それによる家賃減免などの影響を織り込んだ。
住友不動産の連結営業利益も、12.9%減の2040億円の減益予想。「第2四半期から徐々に事業活動が再開されるものの、年度内には前年並みに戻らず、正常化には至らない」という前提で、「ホテル、イベントホール等」のマイナス影響を120億円と見込んでいる。
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