2015年7月27日以前の記事
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日本の中高年はなぜいまだに韓国を“格下”に見てしまうのか「日本スゴイ」では勝てない(3/4 ページ)

世代間でイメージが大きく違う国、韓国。特に中高年だと古い印象が強いケースも。国際ビジネスに必要な「ライバルの真の姿」を知るには。

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韓国映画『パラサイト』に対抗できるか

――一方で、アカデミー賞を獲った映画『パラサイト』は受賞前から日本でも相当な評判だった記憶があります。

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映画『パラサイト 半地下の家族』でアカデミー賞を受賞したポン・ジュノ監督(ロイター提供)

木村: パラサイトは、韓国社会のことが分からなくても理解できる作りになってますよね。実は第1次韓流ブームのもっと前から、韓国映画は国際的にも分かりやすいメッセージを込める工夫をやってきています。

 逆に日本映画は、日本の社会システムを分からないと理解できないコンテンツになっている気がします。アーティスティックな映画は「分からない」ことが良いとなっていて、エンタメ作品の方も日本人にしか分からなくなっている。唯一、誰にでも分かるコンテンツが漫画であると。

 要は作り方の問題ですよね。個人的にもパラサイトは面白い作品でしたが、「この手の韓国映画は他にもあるよね」という気がしました。つまりはどこのマーケットを見て作っているか、という問題なのでしょう。

――こうした韓国コンテンツの世界戦略を、特に企業の決定権を握る中高年が素直に学べないと、対抗していくのは難しそうですね。

澤田: パラサイトの場合、お金を出しているのはCJグループという財閥です。もともとはサムスンから枝分かれしたグループで、エンタメに集中的に投資しています。ケーブルテレビ局を複数持ち、映画館においてもシネコンを多数傘下に置いている大資本。

 そこが力を入れてパラサイトの配給をはじめ全部をやっているのですね。「資本の力で良い物を作る」という彼らの体制に、日本勢が対抗していくのはなかなか難しいかもしれません。

木村: 日本は市場がなまじ大きく、さらには日本語コンテンツとして“閉じて”しまってもいる。徐々に縮小していく市場でもそれなりにデカいので、食えてしまっていたのです。

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