日清食品HD、6月から出社率25%に テレワーク継続・本格導入の動き広がる:“新たな働き方”を模索
多くの企業が、今後の働き方を模索している。日清食品ホールディングスは、6月から「新たな働き方」に移行すると発表。出社率の上限を原則25%とするなど、働き方を変える。他にも、在宅勤務を標準とした制度を構築しようとする企業の動きが活発だ。
多くの企業が、今後の「新たな働き方」を模索している。5月下旬に緊急事態宣言は解除されたものの、感染リスクがなくなったわけではない。また、在宅勤務による成果や課題が見えたことで、テレワークの本格導入を検討する動きも出てきた。
日清食品ホールディングス(HD)は5月29日、6月から出社率の上限を原則25%にするなど、国内グループ各社で「新たな働き方」に移行すると発表した。2月末から原則出社禁止としてきたが、「感染予防を図りながら一定の出勤を行う」(同社)働き方に変える。
6月1日から当面の間、出社人数を25%以下とするために「予約出社制」を導入。社内の執務室や会議室では、“3密”を避けるため、座席の間の距離をとることができるレイアウトに変更したという。会議は原則オンラインで実施する。出張については、国内は制限を緩和。海外は原則禁止の方針を継続する。
日清食品HDのように、職場や電車などでの混雑を避けるため、6月以降も出勤人数を抑制する企業がみられる一方、原則在宅勤務の体制を維持する企業もある。ドワンゴは、5月末までとしていた全従業員対象の在宅勤務を6月以降も継続すると発表している。「在宅勤務体制の恒久化」を見据え、在宅と出社の業務バランスの最適化を図りながら新しい働き方を模索。各種手当や職場環境などを整備し、7月から在宅勤務制度を本格導入するという。
さらに、長期的な視点で新しい働き方の制度構築に着手した企業もある。日立製作所は、在宅勤務活用を標準とした働き方を推進すると発表。当面の施策として、在宅勤務や感染対策に対する手当支給、感染リスクが高い環境で働く従業員に対する手当支給などを行う。中長期的には、職務と成果を明確にする「ジョブ型」のマネジメントに転換するため、勤務形態などを検討していく。
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