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コロナ禍で停滞した製菓業界の新卒採用を応援 背後にあるのはIT化の遅れ:アフターコロナ 仕事はこう変わる(2/2 ページ)
製菓業界で就職活動する若者が困っている。新型コロナの影響で求人情報にアクセスできなくなった。背景にあるのはIT化の遅れ。
企業も困っている
コロナの影響で業績が低迷し、新卒採用を見合わせる企業もある一方で、通常通り採用しようという企業もある。
ドリームラボがパティシエントに求人情報を掲載している企業381社に対して、新卒採用の予定を電話で聞き取り調査をしたところ、「検討中」が50.4%と最も多く、「採用予定はない」(24.4%)、「例年通りの人数で採用予定」(17.3%)、「採用枠を減らす予定」(3.9%)と続いた。採用しないと回答したのはホテルやブライダル関連の企業が多かった。また、例年通りの採用を行うと回答したのは郊外型パティスリーが多く、採用枠は1〜2人程度だという。
このように、求人情報が学生に伝わらないことで、採用意欲のある企業・店舗と学生のマッチングが進まない可能性がある。児玉社長は「企業からの求人情報の掲載に関する問い合わせ件数は今後も増える可能性がある」という見通しを示した。
新型コロナウイルスの影響は長期化する可能性がある。感染拡大の第2波、第3波に襲われると、IT化が遅れている業界では今回の新卒採用のケースのように、思わぬ困難に直面するかもしれない。
就職活動において、現場に足を運ぶことや直接人に会うことはもちろん大切だ。しかし、再び感染が拡大したときに別の方法で対処できるような体制を構築する必要があるのは、製菓業界だけでなく、IT化が進んでいない他の業界でも同じなのではないだろうか。
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