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“アベノマスク”は不要? アパレル大手の夏向けマスクが軒並み好調なワケ:長浜淳之介のトレンドアンテナ(1/5 ページ)
新型コロナの影響でアパレルチェーンが苦戦している。一方、各社は相次いでマスクの製造・販売に乗り出している。技術力を背景にした機能性が支持されている。
老舗アパレルのレナウンが民事再生の手続きに入る。さらに、オンワードホールディングスは2020年度と21年度に約1400店を閉店する。消費増税だけでなく、新型コロナウイルスの感染拡大で苦境に追い込まれているのがアパレル業界だ。
しかしここに来て、アパレル各社は衣服製造のノウハウを活用して、洗って何度も使えるマスクに進出。自社の通販サイトにアップした途端に完売する状況だ。ミズノ・ヨネックスがスポーツ用品、AOKI・青山商事が紳士服、ワールドが婦人服、グンゼが肌着で培った知見を活用している。
ユニクロも、機能性インナーウェア「エアリズム」の生地を使ったマスクを開発中だ。このマスクは吸汗放湿、接触冷感といった機能を備えている。
無印良品は、抗菌防臭を施した繰り返し使える2枚組マスクを5月1日にECサイトで発売。この「三層マスク」は、約100万枚が売れた。6月上旬にはTシャツなどの残布を使ったオーガニックコットンのサッカー織、ムラ糸天竺編み、鹿の子編みの3種を発売する。
また、ニットワイズ(山形県山辺町)の保冷剤入りマスクのようなアイデア商品も登場した。このマスクは自動販売機で冷却して売られているのが特徴だ。
コロナ禍を跳ね返し、高温多湿の日本の夏を乗り切る新しい“夏マスク”の提案で、アパレル企業が底力を見せている。
今回は、新しいマスク参入の動きを前後編でお届けする。
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