いま、総務部門から「DX」を始めるべき理由:新連載・「総務」から会社を変える(3/4 ページ)
新型コロナで大きく変わった企業環境。テレワークの導入やオフィス構築、従業員管理など、企業にはさまざまな課題が新たに課されている。こうした課題を解決するための最前線に立つのが「総務」だ。いま、総務担当者が考えるべきこととはどういったことなのか? 『月刊総務』の編集長である豊田健一氏の新連載。
効率性の向上と創造性の向上を目指して
効率性の向上とは、企業全体で考えると、従業員が本業に特化できるような職場環境の整備である。多くの企業が、仕事の効率性を高めるために、紙の電子化を図り、そして、いつでも、どこでも、誰とでも働けるように、さまざまなデジタルツールを導入してきた。Web会議システム、ビジネスチャット、クラウドストレージ。あるいは、足元の業務の効率化のために、さまざまなクラウドサービス、RPA、AIチャットbotを活用している例もある。
また、効率性を高めるために「ABW(アクティビティー・ベースド・ワーキング)」という、働きたいモードに適した場を、自由に選択できる企業も多くなってきた。オフィスには集中スペース、ソロワークスペース、ブレストルームや集中して複数人で作業できるスペースなど、用途に合わせた執務室を用意し、在宅勤務、自社保有のサテライトオフィス、また外部との契約で使えるコワーキングスペースを活用する企業も多い。
一方、創造性の向上とは、職場におけるイノベーション創発の可能性を高めることである。このイノベーションは「新結合」とも言われ、異なるメンバー同士の偶発的な出会いにより生まれるとされる。その偶発的な出会いの場を実現するために、オフィスにおいては、固定席からフリーアドレスになり、コピー機やプリンタ、文房具などをあえて1カ所に集め、またリフレッシュスペースにおいしいコーヒーサーバを置き、多くの従業員が集う「マグネットスペース」を作っている企業も多いだろう。
「労働時間の短縮」から「生産性の向上」へとテーマが移った働き方改革。そのために多くの企業が導入している、上記のような効率性/創造性向上の取り組みだが、その実行部は、一体誰なのだろうか?
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