「ごはんおかわりロボ」「八百屋併設」 コロナ対策に知恵を絞る外食チェーンの取り組み続々:長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/6 ページ)
大手外食チェーンが本格的に営業を再開した。一方で、新型コロナの対策にも知恵を絞っている。各社はどんな取り組みをしているのか。
食堂を強化
「塚田農場」で著名なエー・ピーカンパニーも、非居酒屋の食堂業態「つかだ食堂」を5月15日、渋谷にテストオープン。その後、池袋や武蔵小杉へと店舗を広げている。
同社は、朝獲れ鮮魚「四十八漁場」、精肉店厳選「芝浦食肉」などの業態も展開しているが、つかだ食堂ではこれまで培ってきた生販直結のこだわり食材を惜しみなく投入している。
昼の部では、同社のエッセンスが詰まった「つかだ食堂の小鉢御膳」(税別1364円)が一番の売りだ。他に銀鮭レアカツや鉄板ホルモン焼きなどの定食がある。ごはん大盛無料で、800円の日替わり定食も用意した。
夜の部は、ちょい飲みをメインに「みやざき地頭鶏炭火焼」(同800円)などの料理を提供するが、ご飯やみそ汁を追加して定食にできる。
八百屋併設の効果は上々
九州料理居酒屋「九州 熱中屋」を55店、博多かわ串と高知ギョーザを売りにする酒場「フタマタ」7店などを展開するゴールデンマジック(東京都港区)では、産直野菜の業務用卸フードサプライ(東京都大田区)と提携して、野菜を販売している。4月24日から、首都圏の熱中屋3店、フタマタ2店で順次販売を開始。好評なので6月9日から関西の熱中屋3店にも拡大した。この企画は、緊急事態宣言で需要が急減した飲食店向けの野菜約30種類を売り、生産者を支援するのが目的なので、飲食店が復興すれば終了する予定だ。
同社・広報によれば「売れ行きは悪くなく、郊外の浦和や小岩では前年の売り上げに近い金額に達している」とのこと。八百屋併設の効果は上々だ。同社では、生産者の思いを伝えるネット通販も強化。家でつくる高知ギョーザや、通販限定のラーメンなどを販売している。
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