「ごはんおかわりロボ」「八百屋併設」 コロナ対策に知恵を絞る外食チェーンの取り組み続々:長浜淳之介のトレンドアンテナ(5/6 ページ)
大手外食チェーンが本格的に営業を再開した。一方で、新型コロナの対策にも知恵を絞っている。各社はどんな取り組みをしているのか。
串カツ田中は小売りへの志向を強める
「串カツ田中」でもフードサプライと提携して「もったいない野菜セット」(1500円)を販売。5月30日と31日には、スーパーの「オオゼキ」、6月10日からはミニスーパーの「まいばすけっと」で冷凍の豚串カツを販売しており、小売りへの志向を強めている。4月22日からは「オイシックス」にて冷食のネット通販も始めた。
5月21日から食事券などをリターンとしたクラウドファンディングを開始。6月15日時点で約3580万円を集めている。その中に、2000万円で1カ月のネーミングライツ権を購入する企画があり、雨上がり決死隊の宮迫博之氏が応募。「串カツ宮迫」がお目見えする予定だ。
ソースの提供も、6月12日から特に希望する人以外は人数分のソースディスペンサーを配る方式に変更した。
接触8割削減プロジェクト
和モダンやリビング風の居酒屋「KICHIRI 」39店を展開するきちりホールディングス(東京都渋谷区)では、5月14日から「KICHIRI新宿」、19日から大阪の「KICHIRI 茶屋町阪急駅前店」の2店で、“接触8割削減プロジェクト”を開始した。
お客の入店時には液晶モニター越しに無人でお出迎えをして、特製マップで番号が書かれた席に誘導する。食事の注文はお客の携帯で、モバイルオーダー。料理は、席の横に飛沫防止フードカバー付きで置く。
卓上に注文の合計金額を常時提示し、会計はキャッシュレスで行う。退店時には心を込めて、2メートル以上離れた位置から見送る。さらには、センサーや足踏み式のタッチレスのアルコール除菌液を設置。テーブルはアクリルのパテーションで区切って、飛沫を防止。少人数の来店でも、横に並ぶ座り方を推奨している。
当初は、次亜塩素酸水を噴霧するトンネル「じあくぐりん」を入口に設置していたが、ウイルス除去効果が定かでないという理由から取り外した。また、1人客向けに対しては、タブレットやユーチューバーが愛用する「女優ライト」を貸し出し、ZOOMなどを使うオンライン飲み会にも対応している。
「203席を100席にまで減らしていて採算は厳しいが、平日でも満席になるほどお客さまが戻った」と同社・広報は手応えを感じている。
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