1日で300万円稼ぐ“ドライブスルー魚屋”も登場 コロナ禍で見直された販売形態の魅力:長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/6 ページ)
コロナ禍をきっかけにドライブスルーが見直されている。緊急事態宣言が解除された後も、需要がありそうだ。1日で300万円を稼ぐ“ドライブスルー魚屋”も登場している。
「鬼滅の刃」とのコラボが大当たり
回転寿司は緊急事態下での時短・休業が響き、4〜5月は大幅に既存店売上高が減少した。一方で、テークアウトの売り上げが倍増したチェーンが続出。
その中でも、くら寿司は大阪府内で実験的に導入していたドライブスルーを、5月15日から全国10店に順次拡大した。さらに効果が認められたことから、駐車スペースが広い全国100店強にまで、大幅に拡張する。
注文方法は次の通り。まず、顧客は「くら寿司アプリ」をスマートフォンにインストール。アプリを起動させて、店内飲食か持ち帰りかを選択する画面が表示されたら、持ち帰りを選択する。ドライブスルー対応店では、通常の持ち帰りか、車での受け取りかを選べるので、後者を選択し、時間を指定して、商品を選ぶ。お店に着いて到着ボタンを押すと、店員が商品を車まで持参する。決済はクレジットカード等で、事前で行ってもらう。
同社では、5月にテークアウトの売り上げが前年同月の3倍となった。くら寿司の帽子付きで、家でお寿司屋さんごっこが楽しめるシャリとネタを別々にしたお持ち帰りセットが、小さい子どものいるファミリーに好評。家族で握りや手巻きの寿司をつくって楽しんだ写真が、SNSに数多く投稿された。
6月12日には人気アニメ・漫画「鬼滅の刃」とコラボして、税込2000円以上を購入した顧客にクリアファイルをプレゼントする企画が当たって、平日としては最高の売り上げを記録した。
くら寿司はもともと「鮮度くん」という鮮度を保つ透明のプラスチックの蓋が付いた皿をレーンに流しているが、「防菌寿司カバー」としての安全性をアピールするようになった。また、タッチパネルが不安な顧客もいるので、同アプリで注文できる体制を整えた。さらに、カウンターには間仕切りを設置した。
店の内外共に新しい生活様式への対応が進み、ドライブスルーを含めたテークアウトとの使い分けを提案して、売り上げが急回復している。
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