Uber Eatsを超える? フィンランド発フードデリバリー「Wolt」が躍進:業界最高のAIとおもてなし(2/5 ページ)
フードデリバリーサービス「Wolt」が、日本で本格的にスタートした。フードデリバリーといえば「Uber Eats」や「出前館」などを想像する人が多いかと思うが、「Wolt」はどのような特徴があるのか。担当者に話を聞いた。
北欧にフードデリバリー文化を築いたWolt
20年現在、コペンハーゲンやヘルシンキといった北欧の主要都市を歩いていると、かなりの頻度でWoltの配達パートナーに遭遇する。短時間に数人を目にすることも珍しくない。市場のシェア率は「非公開」とのことだったが、「北欧のフードデリバリーサービスと言えばWolt」と言っても過言ではないほど、現地での浸透率の高さがうかがえる。
特にロックダウンで店内での飲食が禁じられた期間は、フードデリバリーの利用頻度に拍車がかかったかもしれない。暗くて長い冬に低い人口密度の影響でデリバリー文化が発展しなかった北欧地域に、フードデリバリーを浸透させたのがWoltなのだ。
CEOのMiki Kuusi氏がサンフランシスコでUberの配車サービスを利用した際に、「これをフードデリバリーにも展開できるのでは」とひらめいたことが発端だったという。ヘルシンキを皮切りにデンマーク、スウェーデンと隣国に広げていき、18年から東欧や中央アジアなどに進出、20年に日本進出を果たした。
ビジネスモデルは他社のフードデリバリーサービスと同様で、飲食店からの手数料(基本30%)がWoltの売り上げとなる。配達料金でのもうけはなく、どちらかというと赤字で、それでもクオリティーの高い顧客体験の創出にこだわっているとのこと。実際、App Storeでは5点中4.8、Google Playでは5点中4.7の高評価が付いている(20年7月時点)。
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