Uber Eatsを超える? フィンランド発フードデリバリー「Wolt」が躍進:業界最高のAIとおもてなし(3/5 ページ)
フードデリバリーサービス「Wolt」が、日本で本格的にスタートした。フードデリバリーといえば「Uber Eats」や「出前館」などを想像する人が多いかと思うが、「Wolt」はどのような特徴があるのか。担当者に話を聞いた。
他社にない「最高の顧客体験」とは?
日本市場におけるPR活動で、Woltがうたっているのが「おもてなしフードデリバリー」というキーワード。この真意はどこにあるのだろうか。
「デリバリーに適さないヘルシンキでサービスを開始するには、革新的なテクノロジーの活用と質の高い顧客体験を重視し続ける必要がありました。当社の強みは業界最高水準のアルゴリズムによる配達効率性と、各国都市に配置しているオペレーションチームの存在です。
当社の配達パートナーは、飲食店から料理をピックアップして該当する顧客に届けるという単純なルートをたどるのではなく、場合によっては複数件ピックアップした後に顧客へ配送するなど、いかにムダなく早く配達できるかを重視した独自システムを採用しています。
また、ユーザーからの問い合わせにはオペレーションチームのスタッフが1分以内に返信、トラブルや質問に素早く対応します。オペレーション担当は現地在住者を採用し、高いクオリティーを維持しています」(ヘルシンキ本社・広報担当者)
従来のフードデリバリーサービスでは、「配達員が時間内に到着しなかった」「配達員と連絡が取れなくなった」「食事が玄関前に投げ捨てられていた」など、配達パートナーとユーザー間でのトラブルが絶えず起きているのが現状だ。Woltでは、これらのトラブルが起こり得ることを前提としつつ、それをどう改善するかに注力しているという。
「この不安はユーザーだけでなく、飲食店側も強く持っています。心を込めてつくった料理を初対面の配達パートナーに託さなければいけないわけで、きちんとお客さまに届くのか疑うのは当然でしょう。そこで当社では、適正テストに合格した配達パートナーのみと契約し、その上で手厚いカスタマーサポートを提供しています。
こういった他社にはない最高レベルの顧客体験を提供しているからこそ、これまでデリバリーに『Yes』と言わなかった人気の飲食店さまに加盟いただけたことも当社の強みです」(日本支社・新宅氏)
顧客や飲食店が持つフードデリバリーのネガティブ要素に着目し、それらを徹底的に排除しようとする企業努力は、Woltが支持される要因なのかもしれない。
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