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伝説的ギターの台帳に懸賞金 ギブソンが狙う「ブランド復興」世界を読み解くニュース・サロン(1/4 ページ)

楽器メーカーの米ギブソンが、伝説的なエレキギター「1959年製レスポール」の販売台帳を見つけた人に懸賞金を支払うと呼びかけている。偽物が出回り、高額で取引されているからだ。一度は破産した同社が、歴史あるブランドを守り、復興させようとする一手だ。

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 世界で最も有名なエレキギターの一つに、米Gibson(ギブソン)製レスポールというモデルがある。

 ギターファンでなくとも一度は耳にしたことがあるギターのモデルだろう。名前を聞いたことがなくても、見たことがあるという人も多いかもしれない。というのも、世界的なロックバンドなどのギタリストが愛用しているからだ。レッド・ツェッペリンのジミー・ページや、ガンズ・アンド・ローゼズのスラッシュ、エアロスミスのジョー・ペリーなど枚挙にいとまがない。

 そんなギブソンのレスポールの中でも、伝説的なギターとして一目置かれているのが、1959年製造のレスポールである。なぜ59年かというと、まずはその希少性にある。59〜60年にかけて、ギブソンは643台のレスポールしか製造していない。それゆえに、現在は高値で売買される伝説的なギターとなっている。

 最近、それら59年製造のレスポールをめぐって、ギブソンが公式サイトである呼びかけを行ったことで話題になっている。

 実は、59年の販売台帳が30年以上前から行方不明になっており、その台帳を見つけた人に5万9000ドルの懸賞金を現金で支払うと発表。その理由は、販売記録がないために、59年製レスポールの偽物が世の中に出回っているからだという。記録がないために、偽物を売りさばく詐欺行為も行われているという。


ギブソンが進めるブランド復興の戦略とは?(写真:ロイター)

 このギブソン社の呼びかけの裏には、一時は破産まで行った同社が今、新たなチャレンジを始めている事実がある。そこで、伝説的ギターを生んだギブソン社の歴史に迫りつつ、有名老舗ブランドの戦略を見ていきたい。

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