ワールド、希望退職200人募集 一部ブランド廃止、358店舗を閉店:新型コロナで前倒し
アパレル大手のワールドは8月5日、ブランドの統廃合や低収益店の撤退、希望退職募集を実施する構造改革を発表した。希望退職者は40歳以上の200人を募集。一部のブランド廃止などにより、計358店舗を閉店する。
アパレル大手のワールドは8月5日、ブランドの統廃合や低収益店の撤退、希望退職募集を実施する構造改革を発表した。希望退職者は40歳以上の200人を募集。一部のブランド廃止などにより、計358店舗を閉店する。新型コロナウイルスの影響で事業環境が一変したことから、改革スピードを加速。収益力の抜本的な向上を目指す。
同社は5年前から構造改革による合理化を進め、財務体質の改善を図ってきた。2021年3月期からも3カ年の中期計画で構造改革を段階的に進める方針だったが、新型コロナで状況が一変。「危機をきっかけに、ファッション産業に内在していた供給過剰の矛盾が一気に現実化したと認識」(同社)しており、事業を立て直すためには改革のスピードを加速せざるを得ないと判断した。
今回の改革では「ハッシュアッシュ」「サンカンシオン」「アクアガール」「オゾック」など5ブランドを廃止。その他のブランドも統廃合や効率化の取り組みの対象となる。ブランド廃止に伴い214店舗を閉店するほか、低収益の130店舗などを含めた計358店を閉店する。
希望退職募集は、従来の計画では人員の配置転換などを含めて段階的に取り組む予定だったが、新型コロナの影響で大幅に前倒しすることにしたという。対象者は、11月20日時点で40歳以上の社員。しかし、店舗従事者(販売員)は対象外で、再配置となる。9月14日〜30日に募集し、退職予定日は11月20日(あるいは21年3月末までで会社が指定する日)。退職希望者には退職金に加えて、特別加算金を支給する。
また、役員報酬の減額、事務所面積の縮小などのコスト削減も行う。
同日発表した20年4〜6月期の連結決算では、売上収益が前年同期比45.0%減の330億円、純損益が24億円の赤字だった。通期は60億円の最終赤字の見通しとなっている。
関連記事
- 早期・希望退職の募集企業が急増 前年の2倍ペース
東京商工リサーチによると、2020年1〜5月に早期・希望退職者を募集した上場企業は33社。前年と比べて2倍のペースで増加している。先行型の退職者募集の増加から一転、今後は新型コロナウイルスの影響で業績不振によるリストラが増えそうだ。 - オンワード、希望退職者350人募集 市場環境激変で業績悪化
アパレル大手のオンワードホールディングスは、希望退職者を350人程度募集すると発表。 - ラオックス、希望退職250人募集 今年2回目、インバウンドの回復見通せず
免税店を展開するラオックスは、正社員と契約社員を対象に、250人程度の希望退職者を募集すると発表した。2〜3月に募集したのに続き、再度の実施となる。 - イオングループのコックス、保湿・抗菌防臭加工の「さらマスク」予約販売開始
コックスは、夏用マスクの新商品「さらマスク」の予約販売を開始した。肌を保湿する加工と抗菌防臭加工を施した商品となる。カラーは全12色をそろえる。 - 「息苦しい」「貼りつく」に対応、スポーツ用マスク 野村不動産グループのスポーツジムが開発
スポーツクラブを展開する野村不動産ライフ&スポーツは、スポーツ用のドライマスクを開発した。通気性が高く、運動時も呼吸がしやすいマスクを開発。8月3日、オンラインで販売予約の受け付けを始めた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.