10万台以上売れているUCCの「ドリップポッド」、人気の秘密は?:あの会社のこの商品(4/5 ページ)
UCC上島珈琲といえばコーヒー飲料の印象が強いが、実はコーヒーマシンも開発している。それを用いた一杯抽出型コーヒーシステム「ドリップポッド」が売れている。開発担当者にヒットの秘密を聞いたところ……。
デザイン上のアイデンティティーは抽出ヘッド
20年1月には、家庭用の専用マシンに「ドリップポッド DP3」(以下、DP3。1万3200円税込)が追加される。DP3では新たに、アイスメニューに最適な抽出ができる「アイスモード」と、蒸らしと注湯にじっくり時間をかけ濃厚な味わいを抽出する「ストロングモード」を搭載。また、デザインがDP2から刷新された。
機能もさることながらデザインの大幅変更に目が行くDP3。「より多くの人に楽しんでもらうために、ユニセックス的なものに変更しました」と柳原さんは明かすが、変更に当たっては「デザイン上のアイデンティティーは何か?」が議論になった。議論の末にアイデンティティーとして残すことにしたのは、カップを置くドリップトレーの上にある半球状の抽出ヘッドであった。
また、20年3月にカプセルのリニューアルを実施。独自の焙煎プロファイル(焙煎する時の温度や時間など)を採用しつつ、それまでよりコーヒー豆の産地の特長をより際立たせるようにした。ソロフレッシュコーヒーシステムでドリップポッドを担当する小牧美沙さん(コンシューマー営業部 担当課長)は、「『ドリップポッド』では世界各地のコーヒーを取り扱っているので、リニューアルに当たり、より産地ごとの違いを楽しめるものにしようと考えました。例えば『ハワイコナブレンド』は、さわやかで明るいトロピカルで酸味があるという特長を際立たせるために、ブレンドと焙煎方法を再設計しました」と話す。
レギュラーでラインアップしているカプセルは全14種類(コーヒー以外も含む)。このほか、2カ月に1回ほどのペースで数量限定のスペシャルティコーヒーのカプセルを投入している。信頼できる農園主のコーヒー豆を知ってもらいたいという思いから、貴重なコーヒー豆を提供。リニューアル以降は「ルワンダ フイエマウンテン」「ホンジュラス ラティナ農園」「ブラジル ラゴア農園」を発売している。
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