LINE Payチャージ、キャッシュアウト 東急は券売機で何をしたいのか?:独自の戦略(1/4 ページ)
いまやキャッシュレスの時代になったので、駅の券売機がなかなか使用されなくなった。そんな中で、券売機を通じて新たな試みを始めているところがある。東急電鉄だ。
いまではキャッシュレスの時代となり、なかなか使用されなくなった券売機。人によっては、交通系ICカードにチャージするときに使用する、ということもあるだろうが、それも現在ではクレジットカードを使用したオートチャージやスマートフォンへのチャージにより、その利用も少なくなっている。
一方で、現金を使用する人が少数でもいる限り、いやこの世に現金がある限り、券売機の存在をなくすことはできない。そんな中で、券売機をどう有効活用していくかだけではなく、券売機を利用して鉄道利用者を中心とした地域の人とどう接点を持つのか、を考える鉄道会社が現れた。東急電鉄だ。
LINE Payへのチャージが可能に
東急および東急電鉄は7月15日から、東急線各駅(一部を除く)の券売機において、LINE Payへの現金によるチャージサービスを開始した。東急とGMOペイメントゲートウェイが共同開発した「駅券売機スマートフォン決済チャージシステム」を使用し、LINEのアプリにチャージしようというものだ。
多くの人がちょっとした連絡などで使用しているLINEには、「ウォレット」という決済用のサービスが備わっており、QRコード決済を行うことができる。決済するためにはこのアプリにチャージしなくてはならず、これまでは銀行口座やセブン銀行のATMからのチャージ、LINE Payカードを購入しなければければいけなかったが、そこに東急の券売機が加わった。
券売機に表示されるQRコードをLINEアプリで読み取り、1000円以上のお札を券売機に投入する。するとアプリに新しく投入された金額が表示される。チャージ可能なのはお札のみで、硬貨でのチャージは不可能。1000円以上4万9000円以下までチャージすることができる。
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