2015年7月27日以前の記事
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「倍返しより転職しろ」「メガバンクは修羅の世界」半沢直樹にはまる中国人の突っ込み浦上早苗「中国式ニューエコノミー」(5/6 ページ)

TBSドラマ「半沢直樹」の続編が中国でもブームで、中国最大の書籍・ドラマレビューサイトでは、10点満点で9.4点をマーク。「勧善懲悪」の分かりやすさが幅広く人気を集める理由だが、結果として、日本の企業文化に対する衝撃や誤解も視聴者から湧きあがっている。ここでは、中国のSNSやブログで続出している突っ込みと考察を紹介したい。

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左遷後の本流復帰可能性を考察

 別のブロガーは、半沢直樹が東京中央銀行のトップに上り詰める目標を抱いて入社したことから、「半沢直樹はここから巻き返し、本流に戻れるのか」を考察した。

 ブログでは日本の銀行界は実際に「左遷」が存在し、一度左遷されたら、なかなか元に戻れない点を指摘した上で、03年にグループ会社の会長に転じ、09年にマクセル会長から親会社の日立製作所の会長兼社長に就いた川村隆氏の例を上げ、「巨額赤字下の再建という特殊事例ではあるが逆襲に成功する例もある」と紹介した。

 「日本では緊急事態宣言が明けて、社畜がオフィスに復帰し、半沢直樹が7年ぶりに戻ってきた」という冒頭で始まるブログもある。このブログの執筆者は「リーガル・ハイ」「半沢直樹」ともに、正義のために上司にたてつくことを厭わない共通点があるとし、「中国人も日本人と同じく、職場で上司との関係やどうやって社内でキャリアアップしていくかという悩みを抱えている」と記した。

 ただし、このブロガーは半沢直樹も含む日本人が「部下の手柄は上司のもの、上司の失敗は部下の責任」と言われてもなお転職しないことには疑問のようだ。ブロガーは相性の悪い上司に当たった場合、中国人なら「待遇がさしてよくない中小企業なら迷わず転職する」「国営企業や公務員なら耐えて、昇進の機会をうかがい続ける」の二択が基本で、「まれではあるが、将来性のある企業に勤め、かつ自分がそこで重要な職務を担っているなら、戦う選択肢もある」と指摘した。


中国でも19年から順次発売されている、池井戸潤氏の書籍「半沢直樹シリーズ」(リンク

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