「サクラ」レビューに騙されないために:悪質業者の思う壺(1/4 ページ)
通販サイトには、悪徳業者が跋扈している。彼らは「サクラ」レビューを大量生産するなど、悪知恵の宝庫だ。とはいえ粗悪品を避けるための方法も全くないわけではない。ここではそのヒントを提示したい。
日沖博道氏のプロフィール:
パスファインダーズ社長。30年にわたる戦略・業務コンサルティングの経験と実績を基に、新規事業・新市場進出を中心とした戦略策定と、「空回りしない」業務改革を支援。日本ユニシス、アーサー・D・リトル等出身。一橋大学経済学部、テキサス大学オースティン校経営大学院卒。日本BPM協会アドバイザー。
マーケットプレイス型の通販サイトには悪徳業者が跋扈(ばっこ)している。彼らは「サクラ」レビューを大量生産するなど、悪知恵の宝庫だ。とはいえ粗悪品を避けるための方法も全くないわけではない。ここではそのヒントを提示したい。
「巣ごもり消費」によりいずれの通販サイトも活況を呈している。読者諸兄も利用度が上がっているのではないだろうか。問題は、品質が悪い製品が横行していることだ。
最大手のAmazonの場合には、マーケットプレイス(サイト運営者は「軒を貸している」だけで、実際には出品者が販売している形態だ)において海外出品者の登録基準を緩和したことで一挙に、粗悪品やコピー品を平気で出品する、主に中国を起点とする悪徳業者が跋扈するようになってしまったようだ。
初めから使えない、もしくはすぐに壊れてしまう、といった粗悪品のクレームがサイトのレビューにも続出しているし、報道記事などでも採り上げられている。小生も、初めからの不良品を返品したことが何度かある。
大手の通販サイトであれば、まず出品者(販売事業者)の信用度をさまざまな角度でチェックしている。粗悪品の場合には消費者から返品できるようになっているケースがほとんどだ。返品やクレームを繰り返す事業者に対しては警告し、排除することも仕組みとしてはできている。しかし基本的には「イタチごっこ」の域を出ない。
中には集中的に粗悪品を売った後に姿をくらます業者も後を絶たない。返品された品に別の出品者・製品を装ったシールを貼って再び出品する、悪質なケースも最近発覚している(しかもこの転送作業を第三者の日本人にやらせているので、大元の中国人出品者をふんづかまえることすらできないときている)。
こうなってくると消費者としては真剣に自己防衛を考える必要がある。返品やクレームに時間を使うことすら本来は無駄なので、最初からそうした粗悪品を避けるのが一番である。
そのために多くの人が一番頼りにしているのは、第三者によるレビュー(評価)だろう。しかし誰もが既に気づいているように、マーケットプレイス型の大手通販サイトであれば相当な割合のレビューが「サクラ」(「やらせ」ともいう)なのが実態だ。しかも後述のように最近は手が込んできていて、なかなか「サクラ」を見破れないようになっているのだ。
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