auじぶん銀行がローソン銀行と提携 スマホだけで現金引き出し可能に
auじぶん銀行は8月24日から、ローソン銀行と提携し、キャッシュカードなしで現金の引き出しを可能にする。キャッシュカードの代わりにauじぶん銀行のアプリを使い、ローソン店頭にあるATMに表示されるQRコードを読み取ることで現金の入金や出金が行える。
auじぶん銀行は8月24日から、ローソン銀行と提携し、キャッシュカードなしで現金の引き出しを可能にする「スマホATM」サービスを開始する。キャッシュカードの代わりにauじぶん銀行のアプリを使い、ローソン店頭にあるATMに表示されるQRコードを読み取ることで現金の入金や出金ができる。
セブン-イレブンに設置されたセブン銀行のATMで同様の機能を提供しており、対応は2行目。今回ローソン銀行のATM1万2000台に対応したことで、全国約3万7000台のATMで利用できることになる。
財布は忘れてもスマホは忘れない
auじぶん銀行は当初は携帯電話、現在ではスマホでの利用に力を入れてきた銀行だ。スマホですべての銀行取引が行えるよう注力してきたというが、どうしてもスマホだけでは実現できないものがあったという。キャッシュカードだ。スマホをキャッシュカード代わりにできないか。そんな思いで開発したのが、この「スマホATM」だ。
2017年3月から国内初のサービスとしてセブン銀行で開始。セキュリティなどの観点からキャッシュカードを持ち歩きたくない人や、財布を忘れた際に便利だという反応があったという。「旅行に行ったら財布がなかった。旅行先は地方で当時はキャッシュレスも普及しておらず、現金がない。スマホATMを使って現金を無事に引き出せて助かったという声があった」(auじぶん銀行 イノベーションビジネス本部都木良和副本部長)
また昨今、大雨のような災害が増える中で、避難した被災者の人からも評価されたという。「避難するときに何を持ち出すかというと、携帯電話の優先度が高い。財布や通帳、印鑑より上。この携帯を持っていくだけで現金が引き出せる」(都木氏)
auじぶん銀行は、スマホATMの利用率などを公開していないが、特に40代以下の年齢層において、利用比率が高いという。
KDDIとローソンの提携が背景に
KDDIとローソンは19年12月に資本業務提携を発表しており、20年5月にはローソンに近いPontaポイントとau WALLETポイントの統合も行っている。こうしたことを背景に、auじぶん銀行とローソン銀行の提携も進んだ。
「5月にau WALLETポイントがPontaポイントに統合され、auじぶん銀行の利用者もPontaポイント獲得意欲が増している。そのためスマホATMをローソンでも使えるようにして利便性を高めていこうと考えた」(都木氏)
今回利用促進のためのキャンペーンも実施する。ローソン銀行ATMでスマホATMを利用した人の間で300万Pontaポイントを山分けする(一人あたり上限200ポイント)。期間は9月30日まで。
ATMにQRコードを表示して、それをスマホで読み取る方式は、ATM側にカメラや非接触IC読み取り機などの追加が不要なため、導入が容易だ。「導入のハードルの低さもあり、国内のカードレスATMのデファクトスタンダードになりかけている」とauじぶん銀行の都木氏は話す。
セブン-イレブン、ローソンの2大コンビニチェーンのATMで利用可能になったことで、他のATMでの採用も期待されるが、「カードが利用されるATMのシェアを見ながら検討していきたい。導入のしやすさはATM次第。具体的になったのちに検討していく」(都木氏)と慎重な姿勢を見せた。
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