マスク転売規制解除後も「メルカリ」や「ヤフオク!」が出品禁止を続ける理由:フリマアプリ3社
8月29日からマスクやアルコール消毒製品の転売規制が解除された。一方でメルカリなど3社は、引き続き出品を禁止している。政府より「安定的な供給に配慮」するよう要請されたという。
国民生活安定緊急措置法に基づいたマスクとアルコール消毒製品の転売規制が8月29日に解除された。政府は「供給量が一定程度改善した」としているが、フリマアプリ大手のメルカリ、ラクマ、オークションサイトのヤフオク!は、引き続き出品を禁止している。いずれも安定的な供給に配慮したためだとしている。
マスクやアルコール消毒製品については、新型コロナウイルス感染拡大の影響で品薄状態が続き、政府は3月15日からマスクを、5月26日からアルコール消毒製品の転売を禁止してきた。経済産業省によると、マスクの供給量は、6月時点で月間8億枚を超え、8月には10億枚を達成する見込みだという。また、アルコール消毒液は、5〜7月にかけて2019年の月平均の約6倍にあたる約600万リットル程の生産を維持し、今後も増産予定だとしている。
各省の担当者は規制解除について、「規制の根拠となる法律では、供給が回復するために必要な限度の規制と定められている。また、過度に規制を行うことは国民の権利を制約することにつながるため、供給量などを鑑みて判断した」と話す。そのうえで各事業者には、利用者がトラブルに巻き込まれないよう「安定的な供給」に向け引き続き配慮するよう要請したという。その手段については「各社に委ねている」としている。
上記要請を受け判断を委ねられた各社。PayPayフリマ、ヤフオク!を運営するヤフーは要請を理由に出品を禁止すると発表。ラクマを運営する楽天の広報担当者も、禁止する理由について「感染者数の増加など、状況が不透明なため」と話す。ラクマでは、該当する商品の出品が確認された場合、商品ページの削除や、アカウント制限なども行うとしてる。
メルカリも同様に、マスクやアルコール消毒製品のほか、フェイスシールドや体温計、アルコール濃度が高い酒類も引き続き出品禁止としており、出品された場合は削除対象となる。広報担当者は「感染状況も拡大してる中、総合的に判断した」と話す。
3社とも、出品再開時期については「現時点では未定」とした上で「安心安全なサイト運営を続けるため、協力をお願いしたい」と話す。
関連記事
- はるやま商事、下が開いてるマスク発売 ムレや暑さを軽減
紳士服大手のはるやま商事は、マスク内の不快なムレや暑さを軽減する「下が開いてるi-Mask(アイマスク)」を開発した。顎部分にワイヤーを取り付けることで空気の通り道を作りマスク内のムレを軽減する。8月21日から自社ブランドのオンラインショップで受付を開始する。 - 親族や友人への転売は違反? 経産省がマスク転売規制のQ&Aを公開
3月15日からマスクの違法な転売が罰せられる。経産省は「マスク転売規制についてのQ&A」を公開した。どんな行為が違反になるのか。 - メルカリ、衛生マスク出品を一律禁止 悪質転売防止の政令規制受け
メルカリが衛生マスクの出品を一律禁止に。新型コロナウイルスで悪質な高額転売が横行し、政令による規制が決定したため。 - 本当はやりたくない? メルカリ、マスク高額転売「緊急事態宣言」で漏らした本音
メルカリがマスク販売に関する「お願い」を発表した。新型肺炎の影響でマスクが品薄となり、メルカリ上での転売が増えている。今後は状況により、入手経路の確認や商品の削除などを行う可能性があるという。 - マスクと消毒液の生産状況を経産省が公表 転売目的の購入を控えるよう呼びかけも
品薄状態が続くマスクと消毒液。経産省が最新の生産状況を2月27日に公開。転売目的での購入も控えるよう呼びかけた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.