利用者の一部は筆談ツールとして使用していた ポケトークの「筆談型」を販売:新しいコミュニケーション
ソースネクストは、AIボイス筆談機「ポケトークmimi」を9月4日から販売すると発表した。メーカー希望小売価格は2万9800円(税別)。従来の製品を筆談のツールとして利用しているとの声があり開発を進めた。マスクを着用しながらでも難聴者とスムーズに会話できるとしている。
翻訳機の「ポケトーク」を手掛けるソースネクスト(東京都港区)は8月27日、AIボイス筆談機「ポケトークmimi(ミミ)」を9月4日から発売すると発表した。メーカー希望小売価格は2万9800円(税別)で、全国の家電量販店などで販売する。また、利用開始から2年間の通信料は無料で、月額1980円(税別)でのレンタルサービスも展開するという。
広報担当者によると、従来の「ポケトーク」についてアンケートを行った際、利用者の一部が、難聴者と会話をする際に、筆談のツールとして利用しているとの回答があったという。そこで今回、筆談機としての機能に絞り、高齢者がいる家族や高齢者施設などでの需要を見込んで開発を進めた。
本体のボタンを押しながらマイクに向かって話すと、その内容をリアルタイムで文字に変換し、画面に表示できる。表示する文字サイズは通常の「ポケトーク」よりも大きくし、フォントも読みやす教科書体を採用した。また、ノイズ・キャンセル機能を搭載し、精度の高い文字変換を実現したという。
新型コロナウイルスの影響でマスクを着用する機会が増えたが、そのために口元が隠れ、口の動きで言葉を読み取る難聴者との会話が難しくなっていたという。同製品を導入することで、マスクを着用したまま、一定の距離を保ってコミュニケーションが取れるため、感染予防対策としての活用も期待できる。
【訂正:2020年8月31日17時34分の初出で、タイトルを「実は利用者の10%が筆談ツールとして使用していた ポケトークの「筆談型」を販売」としておりましたが、取材時に提供された内容に誤りがあることが判明いたしました。9月2日9時15分、訂正いたしました。加えて、本文内の表現についても訂正しました。】
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