「家でペットと過ごす」需要が急拡大 コロナ禍で加速する“品薄”の背景:世界を読み解くニュース・サロン(1/3 ページ)
コロナ禍で世界的にペット需要が拡大している。日本のペットショップでは、犬猫が品薄に。価格も高騰している。近年、子犬や子猫をむやみに量産することを規制する動きが進んだ事情もある。経済停滞が続けば、世話できなくなる人が続出する懸念も出てくる。
新型コロナウイルスの感染拡大で多くの人々の生活は変化している。これまで以上に自宅にいる時間が多くなった人も多いだろう。
そんな中、注目されているのがペットだ。世界的に、コロナ禍による環境変化でペットを飼おうとする人たちが急増しているという。
米国でも新型コロナ以降、ペットを求める需要は高く、数多くの人がペットを購入したりアダプト(里親になる)したりしているという。犬なら、もう2021年までのウェイティングリストが発生しており、ブリーダーも忙しくなっているという。動物保護施設でも数百匹の動物が引き取られ、施設が空に近い状態になっているところもあると報じられている。
米国の調査では、ペット保有者の72%が「ペットがいなければ新型コロナの大変な状況を乗り越えられなかった」と答えているといい、ペットの存在が不可欠という人が少なくない。それほど新型コロナによる社会的なストレスが大きいということだろう。
世界に目を向けるとどうか。シンガポールでもここ数カ月、これまで以上にペットを受け入れたい人が増えていると地元紙が報じているし、オーストラリアも米国のように需要が高まっているという。英国でも子犬の需要が急拡大しており、ウェイティングリストも通常の4倍に。アダプト専用Webサイトのアクセス数も600倍になっているという報道もある。
そして日本も例外ではない。日本の状況を探るべく、ペット業界で働く人たちに話を聞いてみると、人々の活動が制限され、多くの人が仕事にも学校にも行けない状況が続いたために、ペットの需要はかなり高くなったという。さらに、日本が行ったコロナ対策もペット需要を押し上げていることが見えてきた。
関連記事
- “世界で最も心地よい”スニーカーは、日本でも爆売れするか
「世界で最も心地よいシューズ」と評されたスニーカーブランド「オールバーズ」が日本初上陸した。環境への配慮や履き心地を追求したシューズが、なぜここまで評価されているのか。その背景には、明確なビジネス戦略があった。 - スーツ姿のビジネスマンが「時代遅れ」になる日
米金融大手ゴールドマン・サックスが社内のドレスコードを緩めると発表した。米国企業では、職場の服装がカジュアル化しつつある。ビジネススーツが「過去の産物」となる日も遠くないかもしれない。 - まだまだ世界で人気? いまだに「FAX」を使い続けるワケ
新型コロナに関する保健所の対応で注目されたのが、今でもファクスを使っている実態だ。しかし、米国や欧州でもまだまだ現役で使われている。コストやビジネス文化などの理由でファクスが使いやすいという声も根強い。まだしばらく、なくなることはなさそうだ。 - オンライン教育「周回遅れ」の日本 “コロナ休校”で広がる、埋められない空白
新型コロナウイルスの影響で休校が続く各国では、オンライン教育の提供が進んでいる。PCやルーターなどを無償提供して環境を整え、通常通りの時間割でオンライン授業を実施している国もある。日本も「教育の空白」を広げないための方向性を示すことが必要だ。 - 伝説的ギターの台帳に懸賞金 ギブソンが狙う「ブランド復興」
楽器メーカーの米ギブソンが、伝説的なエレキギター「1959年製レスポール」の販売台帳を見つけた人に懸賞金を支払うと呼びかけている。偽物が出回り、高額で取引されているからだ。一度は破産した同社が、歴史あるブランドを守り、復興させようとする一手だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.