「会社を買う」はありか:所有と経営(1/3 ページ)
「会社を買う」という言葉をよく見るようになった。「M&A」のマッチングサイトの広告もよく見かけるようになり、ここにきて一気に身近に感じるようになった気がする。 「サラリーマン」が会社を買うのは、大丈夫なのか?
著者プロフィール:猪口真(いのぐち・まこと)
株式会社パトス代表取締役。
「会社を買う」という言葉をよく見るようになった。「M&A」のマッチングサイトの広告もよく見かけるようになり、ここにきて一気に身近に感じるようになった気がする。
少子高齢化によって、黒字のまま廃業する事業者数が大きく増加していたことから、2019年、経済産業省が幅広く事業承継を推進するためにまとめられた「第三者承継支援総合パッケージ」によるところもあるのだが、ついこないだまでは、M&Aといえば、極秘中の極秘案件で、慎重のうえにも慎重に進められたという印象が強い。
ところが、そのM&Aのマッチングサイトを見てみると、会員しか閲覧できないとはいえ、かなりの会社(個人経営も含む)が登録されており、しかも安い(と思える)。このオープンさはすごい。会社によっては、だいたいの想像がつくところすらある。
この状況は、コロナ禍が後押ししたことも間違いないだろう。飲食、レジャー系を中心に、存続できる状況ではない会社は本当に多く、致命的な状態にならないうちに売却し、従業員や自分のビジネスを継続したいという思いは強いのだろう。
サラリーマンで会社を所有する?
会社を所有するというのは、実際に自分で経営するわけではないから(経営する場合ももちろんある)、これは間違いなく投資のひとつではあるのだか、マンション投資、金融商品、先物、株などなど、投資案件は山のようにあるなかで、ダイナミックさという点では、なかなかのインパクトだ。
サラリーマンで会社を買うといった場合、会社を経営したことないのにオーナーになることが本当に大丈夫なのかと心配にはなるが、数段のステップアップであり、しかも数百万円から買えるとなると、マンション投資よりもむしろ低額であり、相当の魅力に映るだろう。
会社を買うということが、身近に感じる理由は実はそこにあって、マッチングサイトを見れば、300〜500万円の希望売却額の会社が並ぶ。
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