マジか!? コロナ禍で「薄毛ビジネス」が盛り上がっている理由:スピン経済の歩き方(4/5 ページ)
「薄毛の人は、新型コロナで重症化する確率が高い」――。少し前、このようなニュースが流れた。「薄毛」に関係するビジネスは好調のようで、新型コロナとの関係性は……。
世界的な現象
いずれにせよ、深刻かつ切実な悩みから、ウイッグや育毛剤を求める女性も増えている。それはつまり、新型コロナが長期化すればするほど、薄毛対策ビジネスの需要が高まっていくということなのだ。
一方、薄毛対策のニーズにはコンプレックスだけでなく、「今日からオレは!」という前向きなイメージチェンジもある。それが、(3)の『「外出自粛」を利用して外見を変える人が増えた』である。
皆さんはこんな経験はないだろうか。頭頂部がスカスカでかなり寂しい感じのおじさんが、正月休みや夏休みが終わったらなんだか急に髪のボリュームが増していた。あるいは、サッパリとした顔立ちの女性が有休を明けたら、いきなりパッチリとした二重まぶたになった。
働く人たちが周囲に悟られることなく、カツラ装着、植毛手術、美容整形などの「変身」をするのはかなり至難のワザだった。しかし、今回新型コロナによる外出自粛や自宅勤務によって、そのハードルがグンと下がった。そのため、これまで周囲の目を気にして踏み切れなかった人たちがコロナを機に続々と「変身」しているのだ。
これは日本のみならず世界的な現象だ。BBCニュースの「美容整形手術、新型ウイルス流行で増加 日米や韓国」(2020年7月11日)によれば、米国、日本、韓国、オーストラリアなど全ての国で、唇を厚くする、しわを取る、鼻の形を整えるといった手術の件数が増えているという。理由は、マスクで施術部分を隠せるのと、在宅勤務が増えてあまり人と会わなくて済むのが理由だという。
このような理由で美容整形が増えているのなら、段階を踏んで周囲の自毛と馴染ませるプロセスが必要なカツラ装着や、増毛手術などが増えていたってなんら不思議ではないのだ。
以上のような要素から、薄毛対策のビジネスが活況になっていることが分かっていただけたと思うが、このトレンドはしばらく続くのではないか、と筆者は考えている。
関連記事
- 「男女混合フロア」のあるカプセルホテルが、稼働率90%の理由
渋谷駅から徒歩5分ほどのところに、ちょっと変わったカプセルホテルが誕生した。その名は「The Millennials Shibuya」。カプセルホテルといえば安全性などを理由に、男女別フロアを設けるところが多いが、ここは違う。あえて「男女混合フロア」を取り入れているのだ。その狙いは……。 - なぜ「プリウス」はボコボコに叩かれるのか 「暴走老人」のアイコンになる日
またしても、「暴走老人」による犠牲者が出てしまった。二度とこのような悲劇が起きないことを願うばかりだが、筆者の窪田氏は違うことに注目している。「プリウスバッシング」だ。どういう意味かというと……。 - パソナの1200人淡路島移転は「リスキー」だと感じる、3つの理由
人材派遣大手のパソナグループが本社機能を淡路島に移転する計画を発表し、話題になっている。地域活性化やBCPに向けた取り組みだというが、この計画はとてもリスキーなのではないか。その3つの理由とは……。 - 僕らのヒーローだったジャッキー・チェンが、世界で嫌われまくっている理由
香港アクション映画の象徴的存在、ジャッキー・チェンのイメージダウンが止まらない。隠し子である「娘」の振る舞いや、自伝で語られた「ダメ人間」ぶりなどが欧米やアジアで話題になっている。私たちのヒーローだったジャッキーに何が起きているのか。 - 日本電産永守会長が炎上! 「即戦力になる新卒」を求めることは、罪深いのか
カリスマ経営者が「炎上」してしまった。日本電産の永守重信会長・CEOである。「カンブリア宮殿」(テレビ東京)に出演したときの言動が問題視されているわけだが、どのようなコメントをしたのか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.