日本一の390メートル高層ビル、「日本を明るく元気に」照らす街の全体像とは? “広大な屋外空間”にも注力:2027年度開業予定(2/2 ページ)
三菱地所は、東京駅前の常盤橋地区に高さ390メートルの超高層ビルなどを建設するプロジェクトの概要を発表した。街区の名称は「TOKYO TORCH」。日本一の高さとなるビルなどを整備し、「日本を明るく元気に」する街を目指す。その詳細とは……
1階から8階へ、空中散歩道を整備
総面積約2万平方メートルの広大な屋外空間の整備にも力を入れる。コロナ禍を経て、当初計画よりも整備面積を拡大した。
トーチタワーと、隣接する「常盤橋タワー」(21年6月完成予定)の間には、約7000平方メートルもの広場を整備。また、トーチタワーには、1階から8階へと続く約2キロの空中散歩道(約5000平方メートル)を設置する。散歩道の先には、ホールの屋上があり、そこにも約2500平方メートルの庭園を整備。ビルで働く人たちがアウトドアオフィスやリフレッシュの空間として使うことを想定している。
就業者向けの施設やサービスは、屋内でも充実させる。常盤橋タワーには、就業者向けのカフェテリアやカンファレンスルームなどの共用スペースを2フロア整備。また、就業者専用アプリによって、カフェテリアの席予約や注文、カンファレンスルームの予約、エレベーターの行き先予報などのサービスを提供し、快適にオフィスを利用できる環境を整える。また、多様な通勤手段への対応として大規模駐輪場を整備し、自転車通勤もしやすくする。
トウキョウトーチでは、日本全国の地域の魅力を発信する取り組みにも力を入れる。すでに、錦鯉の産地として知られる新潟県小千谷市と連携し、「錦鯉が泳ぐ池」と同市のPRゾーンの整備を進めている。また、静岡県裾野市との協業で、軽量薄層緑化システムを活用した緑化空間も整備。「日本全国のコンテンツを体験できる場」(茅野氏)へと発展させる計画だ。
吉田社長は「日本の国際競争力が低下する中、新しい価値を生み出さなければならない。世界の人々が『来てみたい』と思うものが必要。日本の“新名所”として、いろいろな機能を盛り込みたい」と意気込みを語った。ビルの高さだけでなく、ビジネスや観光、地域活性化など、さまざまな機能において、日本を代表する存在として幅広い層から親しまれる街を目指す。
関連記事
- 日本一の330メートル高層ビル、森ビルが着工 “超高層”は今後10年で大きく変化
森ビルは8月5日、虎ノ門・麻布台地区に高さ約330メートルの超高層ビルなどを建設する大規模再開発事業に着工。完成時点で日本一の高さのビルになる。一方、それを上回る390メートルのビルの建設計画もあり、超高層ビルの様相が変わっていきそうだ。 - 「丸ビル」の17年 なぜ“オフィス街・丸の内”は変わったのか
再開発が加速する東京・丸の内。エリアを代表する建物が、2002年に開業した「丸ビル」だ。丸ビル建て替えを機に、“オフィス街”の丸の内は大きく変わった。丸ビルが変えたもの、変わらずに残っているものとは何だろうか。 - 古いビルからビジネスが生まれる、新しい「有楽町」 ポストコロナ時代に存在感を放てるか
三菱地所は今後10年の東京・丸の内周辺のまちづくりにおいて「有楽町」を重点エリアとしている。ビルの建て替えなどのハード整備だけでなく、古いビルを活用したソフトの取り組みを強化。「活躍できる」「成長できる」街を目指す狙いとは? - 変わりゆく池袋 “暗い、怖い、汚い”を一掃する再開発、意外な2つのポイント
東京・池袋の街が大きく変わろうとしている。11月は「ハレザ池袋」のオープンや池袋西口公園のリニューアル、「イケバス」の運行開始など、変化が続いた。再開発プロジェクトが進んできた背景には、大きなきっかけがある。2つのポイントで読み解くと…… - 2019年、東京の街に現れた「新ビル」を振り返る 20年以降は“新駅”周りが変わる
2019年の東京は、20年、そしてその先を見据えた再開発プロジェクトによって、超高層ビル、新商業施設などの整備が進んだ。今年、新たに開業した施設と街の変化を振り返る。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.