コラム
「上司の監視が度を過ぎている」 急増する「リモハラ」とその対策:ハラスメント専門研修講師が解説(4/6 ページ)
リモートワークが普及しつつありますが、それに伴ってリモートワーク中に受けるハラスメントも急増しています。リモートワークならではのハラスメントについて、発生の要因と防止策を考えます。
(1)人材広告業(社員50名)
- 全社員にカメラ付きPCを支給
- 通勤手当を、定期代金の支給ではなく、出勤日数による清算に
- Wi-Fiは、社員が自宅で使用しているものを利用してもらっているが、不都合がある場合には都度相談
(2)PRマーケティング業(社員100名)
- 通勤手当を、定期代金の支給ではなく、出勤日数による清算に
- 原則会社支給のカメラ付きPCを使用して、社員各人が自由に在宅勤務を選択
- Wi-Fiは、社員が自宅で使用しているものを利用してもらっているが、不都合がある場合には都度相談
(3)食品加工業(社員500名
- 通勤手当を、定期代金の支給ではなく、出勤日数による清算に
- 在宅勤務日については、1日50円の光熱費を支給
- Wi-Fiルーターを在宅勤務者に貸与
このほか、勤務手当を出すと表明した企業も多数ありました。
(4)LINE(株)
- 新型コロナ対応手当月5,000円を支給
- 手当の用途・目的…出社に伴うマスクや手指用アルコールなどの衛生用品の購入、水道光熱費や通信費、備品購入など
(5)(株)カオナビ
- 在宅勤務支援金5万円を支給
- 支援金の用途・目的…机や椅子、モニター、PC周辺機器、インターネット環境などの環境整備
(6)(株)メルカリ
- 在宅勤務手当6万円(半年分)を支給
- 手当の用途・目的…勤務環境構築やオンライン・コミュニケーションなど
(7)(株)ヌーラボ
- テレワーク補助・環境整備支援金3万円を支給
- 光熱費通信費代を月1万円補助
- 補助の用途・目的…環境整備、通信費、光熱費など
リモートワークを実施するうえでは、まずは社員がリモートで働ける環境を整備できるように、会社として手当を支給することも検討すべきでしょう。
手当を支給しないでリモートワークをさせた挙句、上司が部下に「おまえの家のWi-Fiどうなってんだ、すぐ切れるじゃないか!」などと自宅の就業環境に文句をつけることは、リモートハラスメントになるからです。
リモートハラスメントを円滑にする働き方とは
いくら制度を整えたとしても、リモートワークに適した働き方が整備されていないと、上司も部下も混乱してリモートハラスメントが生じる可能性が高まります。
「仕事をしているかどうか分からないから、1時間に1回パソコンの画面をスクショして提出するよう上司に言われた」「就業時間中はパソコンのカメラをずっとオンにしたままにするよう強制された」「トイレで席を外しただけでどこに行っていたと叱られた」といった相談の背景には、リモートでの仕事の進め方が確立していないことが原因にあると考えます。
リモートにおける働き方について、2つの会社にインタビューをしたので、紹介します。
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