withコロナ時代の都市鉄道に、何が求められるのか:必要な存在であり続けるために(3/4 ページ)
新型コロナの感染拡大を受けて、鉄道会社が大ダメージを受けている。利用者数が激減したことで、売り上げが大きく落ち込んでいるわけだが、今後の都市鉄道はどうなっていくのだろうか。
鉄道計画が遅れる
都市鉄道各社は、長期的な方針について、経営計画を発表していることが多い。有名なところでは、JR東日本の「変革2027」や、東京メトロの「東京メトロプラン2021」だ。
JR東日本の「変革2027」では、鉄道による移動ニーズの減少はすでに示されていた。しかし、それは人口減少などに伴うものだった。その中で羽田空港アクセス線の開業や、中央線グリーン車連結にも触れられていた。ドライバレス運転(緊急時対応などを考慮して係員が乗車すること)の実現などの計画があった。新駅・高輪ゲートウェイ周辺の開発はJR東日本には大きな目玉だった。
しかしこういった計画も、大きく遅れが出てくるだろう。計画が実現しても、当初考えていた成果が得られない可能性が出てくる。なお、同社の21年3月決算は大きな赤字が予想されている。
東京メトロ「東京メトロプラン2021」も気がかりだ。設備投資には費用がかかる一方、事業での収入が減ってくる。有楽町線と副都心線に17000系が導入される計画が進み、半蔵門線では18000系の導入が予定されている。丸ノ内線では2000系の導入が徐々に進んでいる。そういった計画が遅れることは考えられないか。
相鉄・東急直通線は22年度下期(おそらく23年3月)に開業することが予定されている。これは、相模鉄道と東急電鉄だけではなく、東京メトロ南北線や都営地下鉄三田線とも関係する大プロジェクトだ。合わせて南北線や都営三田線では6両編成から8両編成に増強する予定で、そのための準備も進められている。
もちろん、工事も進んでいるので計画の中止は考えられない。しかし、計画が進んでも予想される利益や効果があるのか、ということが課題となってくる。
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