誰もいない「土合駅」で、グランピングを運営してみた 結果は?:水曜インタビュー劇場(462段公演)(1/5 ページ)
無人駅の「土合駅」(群馬)で、ちょっとユニークな試みが行われている。駅の使われていないスペースに、グランピング施設を設置。また、きっぷ売り場でカフェをオープンしたところ、想定以上の人が訪れたのだ。運営を支援しているJR東日本スタートアップの担当者に話を聞いたところ……。
首都圏で働いていて、無人駅を利用する機会はほとんどない。新宿や渋谷などの主要駅を見ると、数え切れないほどの人が歩いていて、駅員もたくさんいる。しかし、である。JR東日本の管内で、無人駅がどのくらいあるのかご存じだろうか。管内1657駅中、実に4割にのぼるのだ(2020年3月ダイヤ改正時)。
「まあ人口が減っているし、仕方がないよ」「新型コロナの影響で鉄道を利用する人が減っているし、今後も無人駅は増えるでしょ」などと思われたかもしれない。鉄道会社として人員を再配置し、効率化を図るのは不可欠だが、無人駅は維持費が重くのしかかることも忘れてはいけない。
そんな課題を解決するかもしれない――。いや、そこまでではなくても、少しは改善できるかもしれない。そう感じさせられる動きが、2020年2月にスタートした。JR東日本(渋谷区)、JR東日本スタートアップ(港区)、VILLAGE INC(静岡県下田市)の3社がタッグを組み、群馬県の上越線土合(どあい)駅にグランピング施設とカフェをオープンし、実証実験を行っていたのだ。
土合駅といえば、地下のホームから駅舎に出るまでの階段が有名である。その数は、何と462段。「日本一のモグラ駅」とも言われているが、1985年に駅員が姿を消した。無人駅になって35年が経ち、現在の乗降者数は、1日20人ほどと言われている。
そんな駅に、再び人を集めることができたのだろうか。実証実験を支援したJR東日本スタートアップの佐々木純さんに、いまの土合駅について話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。
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