誰もいない「土合駅」で、グランピングを運営してみた 結果は?:水曜インタビュー劇場(462段公演)(2/5 ページ)
無人駅の「土合駅」(群馬)で、ちょっとユニークな試みが行われている。駅の使われていないスペースに、グランピング施設を設置。また、きっぷ売り場でカフェをオープンしたところ、想定以上の人が訪れたのだ。運営を支援しているJR東日本スタートアップの担当者に話を聞いたところ……。
実証実験を始めたきっかけ
土肥: 東京駅を出発して、土合駅に着くのはどのくらいかかるのか。新幹線で「越後湯沢駅」まで行って、そこからJR上越線に乗車する。約2時間30分ほどで到着するわけですが、この駅でちょっとユニークな試みをしていましたよね。
土合駅には駅員がいない、いわゆる無人駅――。そこにグランピング施設を設けて、きっぷ売り場にカフェをオープンしました。「実証実験」という形で行ったわけですが、そもそもどういったきっかけでこのプロジェクトが実現したのでしょうか?
佐々木: JR東日本グループで、「JR東日本スタートアッププログラム」といったイベントを開催しているんですよね。ベンチャー企業や優れたアイデアを持っている人たちと一緒になって、社会課題を解決していく。こうした目的でイベントを開催したところ、ローカルビジネスを展開しているVILLAGE INCさんから「無人駅でグランピングをしたい」といったアイデアをいただきました。
無人駅は乗降者数が少ないのに、管理コストがかかっている。グランピング施設の事業がうまくいけば、ビジネスチャンスが広がるのではないか。人がたくさん集まれば、地域貢献につながるのではないか。といったことを考えました。
土肥: 「アイデアは面白いなあ」と感じるわけですが、場所は無人駅ですよね。しかも35年ほど前から駅員さんがいないところで、宿泊施設をつくっても「うまくいかないでしょ。ムダムダ」といった声もあったのではないでしょうか?
佐々木: 初めての試みだったので、社内外から「本当にそんなことができるの?」などの意見がありました。ただ、VILLAGE INCさんは船でしか行けないプライベートキャンプ場などを運営しているので、「無人駅でもやってくれるのではないか」と期待しました。そもそも「無人駅でビジネスをしよう」といった発想はなかなか出てこなかったので、「とりあえずやってみよう。ダメだったらまた考えよう」といった形で、実現に向けて走り出しました。
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