誰もいない「土合駅」で、グランピングを運営してみた 結果は?:水曜インタビュー劇場(462段公演)(3/5 ページ)
無人駅の「土合駅」(群馬)で、ちょっとユニークな試みが行われている。駅の使われていないスペースに、グランピング施設を設置。また、きっぷ売り場でカフェをオープンしたところ、想定以上の人が訪れたのだ。運営を支援しているJR東日本スタートアップの担当者に話を聞いたところ……。
グランピングの予約は100%
土肥: なぜ土合駅で実施することになったのでしょうか?
佐々木: 青森の「驫木(とどろき)駅」、山形の「峠(とうげ)駅」など、候補はいくつかありましたが、「最初は特徴のある駅のほうがいいのではないか」「首都圏からアクセスのよいところのほうがいいのではないか」という意見がありました。
実際、土合駅は特徴がある。階段が462段もあって、そこを登らなければ駅舎にたどり着けません。ノスタルジックな雰囲気が漂っていて、首都圏からの交通の便がいい。また、2駅離れた「水上駅」には温泉街があるなど、街のポテンシャルを感じることができたので、土合駅に決まりました。
土肥: 駅舎の脇に、2つのテントを構えましたよね。グランピングの施設名は「モグラハウス」。室内の広さは20平米ほどあって、寝具、照明、アメニティなどのほかに、2食(朝・晩)付いて、価格は1人1万8000円(税別)。最大のウリは、「テントの中から列車を見ることができること」。鉄道ファンにとっては、たまらない施設になりますよね。実証実験は2月12日からスタートしたわけですが、申し込み状況はいかがだったでしょうか?
佐々木: 1月20日に予約を開始して、数日で100%になりました。キャンセル待ちも43組いまして。スタートする前は「予約が50%ほど埋まれば、いいよね」と言っていましたので、予想以上の反響でした。こうした状況だったので、関係者の間からは「これはいけるぞー!」といった声が出ていました。ですが……。
土肥: 新型コロナ感染拡大の影響を受けたのではないでしょうか。政府は全国の小中高に「3月2日から臨時休校」を要請しました。3月に入ってから、テレワークを導入した企業が増えていきましたので、この事業も厳しかったのでは?
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