新ジャンルのスイーツビール? スウェーデン発「オムニポロ」が日本進出:日本橋兜町にバー(3/5 ページ)
新型コロナ感染拡大を受けて、「仕事が終わって、ちょっと一杯」といった人も減ったはず。しかし、ビール党には気になるブランドが日本に上陸した。スウェーデン発の「オムニポロ」である。どんなビールを発売しているのかというと……。
ブルワーとデザイナーの化学反応がヒットを生んだ
同ブランドの歴史は、16年前にフェンティ氏がビール業界に足を踏み入れたことから始まった。クラフトビールに特化したレストランで勤務していた彼は、表現力豊かで派手なクラフトビールの世界に魅了され、本格的にこの業界に身を置きたいと決意を固めたという。
「味の良さだけでなく、ファンタジックで創造的なビジュアルにこだわることで、クラフトビールに興味を持たない人でさえも魅了するビールブランドを作りたいと考えました。音楽や芸術がムーブメントを起こすように、ビールを通じて文化的な議論を起こせるはずだと思ったんです」(フェンティ氏)
一線を画すビールブランドを目指すフェンティ氏にとって、アートはビールのフレーバーと同様に注力すべきものだった。このブランド哲学を共有できるアーティストを求めていたところ、共通の知人を介して知り合ったのが、同じくスウェーデンで生まれ育ったデザイナーのグランディン氏。
会った途端に意気投合した2人は、すぐに初めてのコラボレーションとなるクラフトビール「Levon (レヴォン)」を発売。11年2月に発売されたレヴォンは、シャンパン酵母を利用したベルギースタイルのペールエールで、リッチな味わいがありつつ爽やかな後味で、今やブランドの顔とも言えるビールとなっている。
コラボレーション3本目となる「ネブカドネザル」は、世界で2番目に大きなビールのフェスティバルでBest Beer in Showを獲得し、オムニポロは一気に知名度を拡大。「自分たちのビールは世の中に求められている」と確信した2人は、世界展開を見据え、本格的に活動を開始した。
ビール以外に、Tシャツやグラスといったアイテムも展開するオムニポロは、それらを単なる販促物ではなく、ブランドのアイデンティティーを表すものだと主張する。
「ライフスタイルアイテムは、私たち自身が誇れるものであり、ブランドとしてのあり方を表現するものでもあります。また、ビール業界以外の人にも手を差し伸べたいと考えていて、例えば私が身に付けているリングは、私たちと同世代のスウェーデンデザイナーとのコラボジュエリーです。業界を超えたクラフトマンスピリッツの共創により、自分たちだけでなくすばらしい他者の存在も示していける。私たちにとって、それが1つのやりがいになっています」(フェンティ氏)
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