コロナで変わる「家づくり」 ワークスペースだけじゃない、ヘーベルハウスが提案する“特別な空間”:アフターコロナ 仕事はこう変わる(1/4 ページ)
注文住宅「ヘーベルハウス」を展開する旭化成ホームズは、コロナ禍を踏まえ、商談や打ち合わせのオンライン化や“新しい生活”に応じた住宅提案を始めている。テレワークに対応するだけではない、そこに暮らす人の「気持ちの間」を重視した家づくりとは?
アフターコロナ 仕事はこう変わる:
新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、業務の進め方を見直す企業が増えている。営業、在宅勤務、出張の是非、新たなITツール活用――先進的な取り組みや試行錯誤をしている企業の事例から、仕事のミライを考えていく。
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コロナ禍をきっかけに「暮らしが大きく変わった」という人は多いだろう。オンラインサービスの拡大やテレワークの普及といった生活の変化とともに、“住まい”の在り方も変わってくる。
今、その変化への対応を進めているのが住宅業界だ。大和ハウス工業など各メーカーが、テレワーク用のスペースなど、新しい需要に対応した商品を相次ぎ発表している。
注文住宅のブランド「ヘーベルハウス」を展開する旭化成ホームズも、新しい提案に注力する企業の一つだ。同社が重視するのは、快適なワークスペースを作るだけでなく、日常生活の中に存在する「間」を住宅に取り込むことだという。どういうことだろうか。新型コロナウイルスによって加速した変化とその対応について、同社に聞いた。
オンラインで家づくり、細かい対応もしやすく
新型コロナ感染拡大の直後、まず影響が大きかったのが、主な集客拠点としていた展示場だった。緊急事態宣言が出された当初は、客数が大幅に減った。展示場の会場によっては、臨時休業としたところがあったことも影響した。特に、都市部を中心に事業展開しているヘーベルハウスは、全国展開している企業よりも大きな影響を受けた。
それでも、時間がたつにつれて、住宅購入の検討を延期していた客などが徐々に訪れるようになり、8月には前年並みの客数に戻ったという。展示場では、入場制限や来場予約サービスなどを活用し、“密”を作らないように感染対策を徹底。2019年4月から提供している来場予約サービスの利用者は一気に増加し、7月には約800組が事前予約を利用した。
一方で、緊急事態宣言前の3月から、オンライン面談のサービス受け付けを開始している。4月には100件以上、5月には400件近くの申し込みが入った。Web会議ツールなどを使った相談対応のほか、以前から提供していたVRコンテンツや、モデルハウスを3Dで見られるコンテンツなども活用。実際の展示場にあるモデルハウスを内見しているかのような体験を提供している。建築現場見学会などのイベントもほとんどオンラインに移行した。
同社マーケティング本部 営業推進部の中村干城氏によると、対面での面談にオンラインサービスを加えることで、よりきめ細かい対応もしやすくなったという。「注文住宅は契約後も細かい打ち合わせが必要。そういった打ち合わせのほか、希望する内容の変更やちょっとした相談事項なども、オンラインを多用することで気軽に問い合わせてもらいやすくなった。結果的に、密度の濃い打ち合わせができている」。オンラインを組み合わせることで、多忙な顧客も対応しやすくなり、満足度も上がったようだ。
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