総務の仕事は「目立たない」「感謝されない」……戦後最大の「変わるチャンス」到来 36の業務から「求められる役割」を考える:総務プロの「攻めと守り」(4/4 ページ)
会社を運営するためのベースとなる縁の下の裏方仕事、雑用係というイメージの総務。その中でも「目立つ」仕事は何なのか。
ここで「アフターコロナに向け、求められている役割」を考えてみてください。まさに今、総務に求められているのは、図の上層部向けの仕事がメインになっていることに気付くかと思います。リスク管理(感染症、地震などへのBCP)、不動産・オフィスの再構築、社外とのつながり形成など……これらは総務部の職務の中でも「目立つ」「感謝される仕事」の部分です。
これをチャンスと見るか、ピンチと見るか。読者の皆さんがこの仕事を今後も続けたいか続けたくないかによっても違いますが、今後も続けたいと思っている方にとっては、「目立つ」千載一遇のチャンスでしょう。
私の総務の経験からすると、第1回で紹介したITバブル以降の流れの中で、最大のチャンスです。私よりもさらに先輩の中には、これは「戦後最大のチャンス」(70年に一回のチャンス)という見方をする方も多いのです。
このチャンスをモノにできるかどうか。社内にすでに答えがあるケースもあれば、議論して答えを導き出す必要がある場合もあります。もしくは社内の議論だけでは難しく、外部も含め専門性の高い能力を発揮できるイノベーティブなチームを作り、他の会社のまねごとではなく「自分の会社らしい答え」を導き出す必要があるかもしれません。
次回はこのチャンスをモノにするための戦略、計画、社内稟議の方法などを、タイプごとに紹介し、攻める部分と守るべき部分を明確にしていきたいと思います。
著者紹介:金英範
株式会社 Hite & Co.代表取締役社長。「総務から社員を元気に、会社を元気に!」がモットー。25年以上に渡り、日系・外資系大企業の計7社にて総務・ファシリティマネジメントを実務経験してきた“総務プロ”。
インハウス業務とサービスプロバイダーの両方の立場から、企業の不動産戦略や社員働き方変化に伴うオフィス変革&再構築を主軸に、独自のイノベーティブな手法でファシリティコストの大幅な削減と同時に社員サービスの向上など、スタートアップから大企業まで幅広く実践してきた。
JFMAやコアネットなどの業界団体でのリーダーシップ、企業総務部への戦略コンサルティングの実績も持つ。Master of Corporate Real Estate(MCR)認定ファシリティマネジャー、一級建築士の資格を保有。
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