今こそ「腕の見せ所」 第2波が到来したコロナから、総務は会社をどう守る?:「総務」から会社を変える(1/4 ページ)
『月刊総務』編集長の豊田健一氏による、総務とDXを巡る連載。第2波が到来した新型コロナから、総務はどう会社を守るべきか。出社させるのか、在宅にするのか。出張や通勤など、移動の制限を設けるのか、プライベートでの感染症対策をする場合には、どこまで踏み込むべきなのか。勘所を豊田氏が解説する。
個別対策の前に、全体感の把握
新型コロナウイルスが、再び猛威を振るい始めた。緊急事態宣言以前より、陽性者の数が増えてきている。一方、財政的な問題からか、国の動きが鈍いようにも見受けられる。国の動きを待っていられないとばかりに地方自治体が中心に対応をしているのが現状だ。企業側も、経済活動を維持しながら、どうやって社員をコロナ感染の脅威から守るか、四苦八苦していることと思う。
企業での対応、その司令塔は総務であることが多い。そもそも、出社させるのか、在宅にするのか。在宅勤務をメインにする場合には出社率をどこまでに設定するのか。出張や通勤など、移動の制限を設けるのか。プライベートでの感染症対策をする場合には、どこまで踏み込むべきなのか――。
オフィスの対策については、日本経済団体連合会(経団連)より、「オフィスにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」が提示されている。内容を見ると、従業員が感染した場合の対応から執務室内で取りうる対策、トイレなど執務室外の感染対策までかなり細かく方法が提示されている。しかし、実際問題としてここで提示されたものをどこまでできるか、悩んでしまう総務担当者もいるかと思う。ここで考えてほしいのは「できる範囲で対応する」ということだ。コロナ患者の応対に当たっている著名な医師も言っている。「最大限できることはして欲しい」と。
総務担当者として重要なのは、まずは全体感を持って対応策を検討することだ。個別具体的な対策の実施を考える「虫の目」ではなく、まずは全体像を把握する「鳥の目」を持つべきなのだ。
関連記事
- 総務のテレワークを巡る「衝撃の数字」 フルリモート実現の急所とは?
『月刊総務』編集長の豊田健一氏による、総務とDXを巡る連載。総務のテレワークに関する調査で明らかになった衝撃の数字を基に、総務のフルリモートを実現するための急所はどこにあるのかを解説する。 - もうオフィスは不要なのか、それともまだまだ必要なのか 総務から考えた「結論」
『月刊総務』編集長の豊田健一氏による、総務とDXを巡る連載。いま、急激なテレワーク導入により、一部で「オフィス不要論」が出始めている。中にはコストなどの面から、オフィスを廃止しフルリモートに移行する企業も出てきた。総務業務との結び付きが強いオフィスを巡るテーマを、豊田氏はどう考えているのか? - テレワークで剥がれた“化けの皮” 日本企業は過大な「ツケ」を払うときが来た
テレワークで表面化した、マネジメント、紙とハンコ、コミュニケーションなどに関するさまざまな課題。しかしそれは、果たしてテレワークだけが悪いのか? 筆者は日本企業がなおざりにしてきた「ツケ」が顕在化しただけだと喝破する。 - いま再び注目を集める「社内報」 紙にとどまらない、活用のポイント
テレワークで不足するコミュニケーションに対する意外な一手として、「社内報」を活用する企業が出てきている。今や「紙」だけでなく、Webやアプリの社内報も登場しているようだ。担当者が抱えがちな「せっかく作ったのに読まれない」「コンテンツが思い付かない」といった悩みへの処方箋も紹介する。 - ハンコ出社も分厚い参考書も不要になる? 「ひとり総務」の法務業務を変える、リーガルテックの最前線
中小企業では総務担当者がやることも多い「法務業務」。ある調査では、法務業務の専任担当者がいない企業が2割ほどという結果も出ている。「紙とハンコ」との結びつきが強く、テレワーク推進を阻みがちな法務業務だが、最近ではITの力で効率化を目指す「リーガルテック」に関するサービスも出てきつつある。中でも、LegalForce」は契約書のチェックに役立つという。 - モノプソニーだけじゃない 「日本人の給料安すぎ問題」に潜むこれだけの原因
デービッド・アトキンソン氏の記事によって話題になった「日本人の給料安すぎ問題」。氏は原因を「モノプソニー」でひもといたが、給料が安すぎる原因は他にもさまざまある。前後編2回に分けて、ブラック企業に詳しい新田龍氏が解説する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.