いま再び注目を集める「社内報」 紙にとどまらない、活用のポイント:「読まれない」「思い付かない」の改善法(1/4 ページ)
テレワークで不足するコミュニケーションに対する意外な一手として、「社内報」を活用する企業が出てきている。今や「紙」だけでなく、Webやアプリの社内報も登場しているようだ。担当者が抱えがちな「せっかく作ったのに読まれない」「コンテンツが思い付かない」といった悩みへの処方箋も紹介する。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、多くの企業で導入が進むテレワーク。オフィスから離れて、各自が在宅勤務をすることで浮上しているのがコミュニケーション面での課題だ。日常的に顔を合わせることがなくなったことで、意思疎通が難しくなり、部署を横断したプロジェクトの進行や、部下のマネジメントに頭を悩ませる人も少なくないだろう。
そんな中、社内報を活用してコミュニケーションを円滑化している企業がある。人材サービスを展開するエン・ジャパンだ。社内報と聞くと、「紙冊子」のイメージが強いが、同社の社内報は「Web社内報」。もともと紙で発行していた社内報を社内イントラで共有する形へ変更し、その後16年には「ensoku!」と銘打ち、社外にも公開を開始した。
新型コロナの影響でテレワークを導入してからは、情勢を鑑みて運用を停止することも考えたが、「先が読めない、社員が不安感を抱えるこんなときだからこそ社内報が重要なのでは」(広報担当者)という思いから、コンテンツの更新を継続した。
もともと、社内報記事の更新は「社員の誰が、いつ書いてもいい」という方針で運用していた。しかし、「それでも、社内報は広報が1人で書くものというイメージが強い。ただ、広報からの発信だけでは解決できない課題もある」(同前)。「現場の生の声」を社内報として公開することに意義を見いだし、全社がテレワークとなってからは各部署に対して記事の更新を依頼したという。
すると、さまざまな部署の社員が、慣れない在宅勤務を社員がどのようにこなしているかや、リラックス方法、リモートでのランチ会などの紹介記事を続々と公開。顔が見えない同僚の動向を知る場として活用している。同時期は新入社員が入ってくるタイミングでもあり、多岐にわたる部署や先輩社員の紹介ツールとしても役立ったという。
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