ロゼワインが「子どもっぽい」とされる理不尽 日本でのビジネスチャンスは?:食の流行をたどる(1/5 ページ)
日本において、ロゼワインは子どもっぽい飲み物とされる。フランスでは白ワインより消費量が多いのにこの扱いは理不尽である。ビジネスチャンスはないのか。
食の流行をたどる:
「レモンサワー」「一人焼き肉」「ギョーザ」「パンケーキ」「かき氷」――毎年のように新たなブームが生まれる。これらのブームの背景を、消費者のライフスタイルの変化や業界構造の変化も含め、複合的に分析していく。
みなさんは「ロゼワイン」と聞くとどのようなイメージをもつだろうか。
「白ワインと赤ワインの中間的なもの?」「甘いワイン?」「お酒になじみのない人が飲むワイン?」といったように、少し子どもっぽい飲み物というとらえ方をしている人も多いのではないだろうか。
筆者は、ホットペッパーグルメ外食総研の研究員であり、主に食のトレンドや歴史、文化を研究して情報発信している。職業柄、大の食いしん坊であり、のんべぇでもある。毎日、強靭(きょうじん)な胃腸を駆使しながら食の研究を行っているわけだが、ロゼワインが大好きである。
しかし、ロゼワインが日本で幅広く受け入れられているとは言い難い。友人との会食でロゼワインをボトルで注文しようとすると、嫌な顔をされた経験もある。また、白や赤と違い、ロゼワインは銘柄ではなく「ロゼ」とひとくくりにされていて、注文しようにも選択肢が限られていることがある。さらに、在庫を抱えていないお店も多く、追加注文をすると売り切れ……といった経験もある。
ワイン大国のフランスでは、白ワインを上回るほど消費されているロゼワインがなぜ、日本では冷遇されているのか? この不当な評価の裏側を探りたい。そして、ロゼワインをもっと当たり前に楽しむ文化を醸成することで、日本の飲食シーンを更に華やかに盛り上げたいと思い、一念発起してこのテーマを取り上げることにした。
ソムリエやワインエキスパート、そしてとんでもなくワインに詳しい愛好家がワインの世界には存在している。私は、そのようなワイン上級者ではないが、ロゼワインが日本でまだまだ普及していない要因や今後の可能性について、消費者や飲食店の視点から考察していきたい。
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