ビックカメラ、ワークマン、アルペン…… 異業種の参入で盛り上がるアウトドア市場の今:長浜淳之介のトレンドアンテナ(5/5 ページ)
アウトドア市場が盛り上がっている。ビックカメラやコーナン商事が相次いで専門店をオープンするなど、異業種からの参入も相次ぐ。どこまで伸びるのか。
刀との協業で客数が倍増
16年7月、兵庫県三木市にオープンした「ネスタリゾート神戸」は、年金受給者の保養施設だった「旧グリーンピア三木」の跡地を再生。日本初となる総合的な大自然の冒険をコンセプトとした、アウトドアのテーマパークだ。企画には、18年からUSJを再建したマーケッター、森岡毅氏が率いる「刀」が参加している。刀との協業で1年もしないうちに、客数、売り上げともに倍増し、軌道に乗った。
約230万平方メートルにも及ぶ広大な敷地に60もの施設がそろっておりアウトドアの百貨店ともいえる内容だ。
例えば、天空を飛ぶ鷲のような体験ができる「スカイ・イーグル」、透明の球体カプセルに入って丘陵を転がる「キャニオン・ドロップ」、水のトンネルを潜り浮島を回る「ワイルド・カヌー」がある。また、動物に餌をあげたり、野菜を収穫したりといった体験を提供している。さらに、ボルダリング、プール、グランピング型バーベキューなどのアクティビティーだけでなく、天然温泉、ホテル、宿泊コテージもそろえている。子どもから大人まで、予算と滞在日数に応じて遊べるのが特徴だ。
このように、アウトドアビジネスは、東京五輪に向けて健康増進の機運により盛り上がっていた。しかし、新型コロナの流行によるソーシャルディスタンス、密を避ける感染予防意識の浸透で、より一層勢いが加速しているといえるだろう。
著者プロフィール
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)など。
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