くら寿司が完成させた「非接触型サービス」 触れずに操作できるセルフレジや案内システムを導入:「近づけない、集めない」 時代を生き抜く、企業の知恵(2/3 ページ)
くら寿司は「非接触型サービス」を先行導入した店舗を公開した。直接触れずに操作できるセルフレジなどがある。今後、同様の店舗を増やしていく考えだ。
タッチパネルに触れずに注文
テーブル席に設置されているタッチパネルに直接触れなくても商品を注文できる。くら寿司では、専用アプリから注文できるサービスをすでに導入している。しかし、池袋サンシャイン60通り店では、専用アプリをスマートフォンにダウンロードしていないお客にも対応している。タッチパネルに表示されたQRコードをスマホで読み込めば、自身のスマホにメニューが表示される。4人のグループで来店した際も、各自のスマホで注文できる仕組みだ。
また、回転レーンを流れている商品を取る際、レーンに取り付けたカメラが皿を自動でカウントするセルフチェック機能も導入している。このシステムは東京・浅草にある浅草ROX店に先行導入されていたものだ。
食事が終わったら、テーブル席にある投入口に皿を入れる。レーンのカメラが認識した皿と、スマホから注文した皿の数が合っているかを確認するためだ。
全ての皿を投入したら、タッチパネルに表示される「投入完了」と「お会計」を直接押す必要がある。現時点では、この部分だけは非接触対応になっていない。21年の春ごろまでには非接触で操作できるようにするという。
テーブル席のタッチパネル操作が全て終わったら、入店時に発券された案内表を持ってセルフレジに移動する。セルフレジは案内機同様、タッチレスで操作可能だ。案内表をレジに読み込ませて、決済方法を選択する。
くら寿司は、セルフ案内のシステムを322店舗、食べた皿の枚数を自動でカウントするセルフチェックのシステムを168店舗にそれぞれ導入済みだ(20年9月末時点)。そして、これらのシステムを他店に広げていく。
20年11月には、今後のくら寿司のモデルとなる店舗を東京・東村山市にオープンする。池袋サンシャイン60通り店にある非接触のシステムを導入しているだけでなく、テーブルや椅子にも新しい感染症予防の工夫をしているという。広報担当者は「モデル店舗にあるような感染症対策をしっかりした上で、今後も新規出店していく」と説明する。
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