お肌の手入れをするおじさんが増加! 背景にある「女性の社会進出」と「オンライン会議」:男性用化粧品(2/2 ページ)
インテージの調査によると、男性用化粧品の2019年の市場規模は対15年比で9%増となったという。特に購入率の伸びが多い年代は40〜60代。スキンケアを意識していなかった年代が、基礎化粧品を使用するようになった理由は?
オンライン会議で気が付くシミや肌荒れ…
マンダムは、40代以上の「ミドル男性」をターゲットにしたブランド「ルシード」から、「フェイスメイクシリーズ」を8月に発売。日常のスキンケアではすぐに治せないシミやクマなどを隠す男性用のコンシーラー2種類と、ローション(いずれも希望小売価格税別1500円)を展開している。コンパクトタイプのコンシーラーは、男性でも持ち歩けるよう、手帳をモチーフにしたレザー調のデザインを採用した。
また、2019年からスキンケアとファンデーションが一緒になったBBクリーム「ウーノ フェイスカラークリエイター(ナチュラル)」(オープン価格、以下同)を販売している資生堂は、20年9月にBBクリームの新色を発売したほか、唇のかさつきや血色の悪さをカバーする男性用リップクリーム「ウーノ オールインワンリップクリエイター」や、女性用のクレンジング技術を男性向けにアレンジし、毛穴目立ちを抑えるジェル状洗顔料「ウーノ ホットクリアジェル」を発売している。
コーセーコスメポートも、新たにメンズブランド「マニフィーク」を立ち上げ、9月からアマゾンやECサイトなどで先行販売している。同ブランドでは、洗顔、化粧水、乳液のほかに、オールインワンジェル、フェースマスクの5種類を取りそろえている。
ECサイトで先行販売を始めたのは「店頭での購入にためらいを感じる男性が多いのでは」(広報担当者)という配慮もあった。実際、売れ行きは好調で予想を上回る人気ぶりだという。広報担当者は「マスク着用による肌荒れや、オンライン会議で自分の顔を見る機会が増えたことで、スキンケアを始める1つのきっかけになっているのではないか」と話す。
富士経済によると、20年の化粧品の国内市場見込みは19年比で7.8%減の2兆5948億円。新型コロナウイルス感染拡大により、インバウンド需要の激減や、外出自粛によって化粧をする機会が低下したことが影響している。東日本大震災があった11年から9年ぶりの縮小となる見込みだという。
コーセーの広報担当者によると、マスクの着用機会が増えたことで口元を見せなくなり、特に口紅の売り上げが落ち込んでいるという。女性用に比べその規模は圧倒的に小さいが、化粧品業界は注目が集まる男性用化粧品に力を入れ、さらなる市場の活性化を図る。
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