コロナ禍で乾麺・袋麺が“バカ売れ” 伏線は、朝ドラの「まんぷく」にあった:長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/6 ページ)
これまでカップ麺に押されていた乾麺・袋麺が、コロナ禍の影響で売れている。在宅勤務の普及などが原因だが、NHK連続テレビ小説「まんぷく」も影響していると筆者は指摘する。その理由は?
明星食品や東洋水産の戦略
日清の傘下に入っている明星食品も、9月21日にラーメン専門店の味を追求した太麺の「麺神(めがみ)」シリーズ2種を、関東と甲信越で発売した。
その他にも、東洋水産は「マルちゃん 正麺」シリーズで、9月7日に担々麺を発売。マルタイは8月24日に「博多一幸舎監修 豚骨ラーメン」を発売した。このように、お店の味に限りなく近い味を家庭で楽しめる袋麺の新商品が、今秋は幾つか登場している。
サンヨー食品は、主力の「サッポロ一番」の腕利きシェフによるアレンジメニューを提供する店舗「サッポロ一番劇場@虎ノ門横丁」を、東京都港区にある虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー「虎ノ門横丁」に、9月25日〜10月10日の期間限定で出店した。
“タベアルキスト”のマッキー牧元氏が監修し、自由が丘にあるイタリアン「mondo」の宮木康彦シェフと、銀座にある中華「Renge equriosity」の西岡英俊シェフが、サッポロ一番のポテンシャルを引き出す、かつてない試みであった。
ランチタイムには、西岡シェフの「天然真鯛の松茸ラーメン」他5種、宮木シェフの「モンサンミッシェル産のムール貝の混ぜそば」他4種のメニューを提供している。
ディナータイムには、春巻きやテリーヌなどに変貌したサッポロ一番の麺とスープが登場。ワインと堪能するコース料理を提案している。
これらは、新商品を店の味に近づけるのでなく、既存の商品を店の品質で出す、新しいアプローチといえるだろう。
関連記事
- スシローとくら寿司 「価格帯」と「シャリ」から見えた戦略の“決定的”な違いとは
大手回転寿司チェーンのスシローとくら寿司。標準的な寿司の重さはほぼ一緒。しかし、価格とシャリの違いから戦略の違いが見えてきた。 - 「かつや」のシェアは60%も!? コロナ禍に負けず、とんかつ・かつ丼市場で圧倒的強さを誇る秘密とは
コロナ禍で多くの外食企業が苦戦している。一方で「かつや」は大健闘しており、筆者の試算ではとんかつ・かつ丼市場におけるシェアが6割近くにもなるという。その強さの秘密とは? - レゴランドってそんなにひどいの? 家族を連れて行ってみた
「隣接する商業施設からテナントが撤退」「水筒の持ち込み禁止」などのニュースで注目を浴びているレゴランド。ネット上では酷評する声もあるが、実際はどうなのだろうか。記者が家族を連れて遊びに行ってみた。 - セブンの「ステルス値上げ」を疑う人が、後を絶たない理由
消費者が知らない間に、こっそりと量を減らして価格は据え置き――。セブン-イレブンが「ステルス値上げ」をしているのではないかと叩かれている。なぜ、このように疑われているのか。筆者の窪田氏は、このように分析していて……。 - 僕らのヒーローだったジャッキー・チェンが、世界で嫌われまくっている理由
香港アクション映画の象徴的存在、ジャッキー・チェンのイメージダウンが止まらない。隠し子である「娘」の振る舞いや、自伝で語られた「ダメ人間」ぶりなどが欧米やアジアで話題になっている。私たちのヒーローだったジャッキーに何が起きているのか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.